extension lagの原因は内側広筋だけじゃない?膝関節伸展機構のまとめ!

変形性膝関節症やTKAに頻発する「extension lag」

「内側広筋の筋力低下によって引き起こされる問題でしょ( ^∀^)」

っとそんなに単純ではないし、最近では否定されつつもある・・

 

一生懸命内側広筋の筋トレだけしてもそのextension lagは改善されない?

 

そのextension lagの原因と対処方法について考えてみよう。

目次

extension lagとは??

 

「膝最終伸展域10度自動で行えない状態(他動運動は可能)」

つまり

「他動では伸びるけど、自力で保持できない!」という状態。

これは変形性膝関節症やTKA、ACL損傷術後の患者さんで問題になりやすい。

 

膝関節は完全伸展することで初めて安定する関節。関節構造自体は不安定で、靭帯依存が強い関節。

このextension lagは限りなく「ない」ようにすることが膝関節のリハビリテーションにおいて重要です。

 

しかも早期に改善できればなお良い!!ちゃんと運動学的な部分・スクリューホームムーブメントも勉強しておいてね!

さあ膝伸びない人・・伸ばしましょd( ̄  ̄)

extension lagの原因を考えてみよう!

「内側広筋の筋力低下です!」だけならこのブログは必要ないw

確かに膝の最終伸展時に内側広筋は働く。

しかし、筋電図上で伸展最終域でVM働く=VMだけ鍛えればextension lagは改善する・・ほど臨床は単純じゃない。

という訳なのでextension lagの原因をあげてみよう。(局所的に)

  • 腫脹(アイシングについてはこちら
  • 痛み(神経抑制)
  • 膝蓋下脂肪体の癒着
  • 膝蓋上嚢の癒着
  • 内側・外側膝蓋支体の癒着
  • 膝蓋大腿靭帯の癒着
  • 術前の膝関節伸展制限(10度以上はextension lagの改善が遅延する)
  • 大腿四頭筋の筋力低下

ちなみにある研究によると内側広筋に麻酔をかけてもextension lagは出現しないらしい・・おやおや。困りましたねw

しかも筋電図でも膝関節最終伸展域で内側広筋の出力が弱まることもわかっています。

あらあら・・VMさん。。頑張れよ・・( ´ ▽ ` )

大切なことは「VMの筋力低下=extension lag」と簡単に結び付けないこと!あくまで1つの要素。

ぼくの経験から考えるextension lagの原因

これはあくまでぼくの意見です。

  • ACL損傷術後で腫れが引いているのにも関わらずlagがある人が多い
  • 痛みによる神経抑制とか言われるけど、痛みのないextension lagもたくさん経験した
  • ハムストリングスの短縮とかいうけど、他動で伸びているからそれも違う気がする
  • 膝伸展トレーニングの質と量が大切

じゃあどうやってextension lgaが改善してきたかを考えてみよう。

  1. 膝蓋骨の動きをしっかりモビライゼーションさせる
  2. 大腿四頭筋の筋力強化を「短縮位」で行う(短縮位から縮まない人が多い)
  3. 適切に収縮しているかどうか触診しながら行う

といった感じに丁寧にやるだけ。

これでよくなることが多いという経験側からまとめると。

 

「膝蓋骨の動きを良くして、大腿四頭筋を短縮位で収縮させること」

が大切。

あれ・・単純w

でも本当にシンプル。

もちろん、痛みや腫脹がある場合は早急にその対処をする必要がある。

でも痛みや腫脹がなくてもextension lagがある人が多かったことを考えると、上記のことが大切になる。

 近位収縮距離・遠位収縮距離がextension lagの鍵

あまり聞きなれない言葉だが

  • 近位収縮距離(proximal amplitude)
  • 遠位収縮距離(distal excurision)

近位収縮距離は筋肉が収縮することによって短縮する距離。遠位収縮距離は筋肉を伸張することによって延長した距離。

難しく書きましたが。

要は「伸び縮みする大腿四頭筋とその周囲の軟部組織」を作ることが大切

特にextension lagに関してはprpximal amplitudeのが不十分なことが問題。縮もうとしても縮まないってことです。

 

膝関節extension lagの改善方法を動画でまとめよ

では動画で方法をまとめます。

すごく単純。

でも丁寧にやってみてください。

  1. 膝蓋骨のモビライゼーション(全方向)
  2. 膝蓋骨周囲の軟部組織リリース(特に膝蓋上嚢・膝蓋下脂肪体)
  3. 膝蓋骨を下に誘導した状態でpatella setting(股関節外転外旋位)
  4. 結構トレーニング量をがんばるw(患者さんがしっかりと収縮感を感じてpatellaが動くまで)

ここまでしっかりとOKCで膝の伸展ができるようになれば次にCKCのトレーニングに移行しても膝の伸展は行いやすいはず!

まとめ

  • 膝蓋骨の動きをしっかりと動く環境を整える
  • 膝の伸展筋力を短縮位で発揮させる
  • 内側広筋の筋力低下以外も頭に入れて対処しよう

膝にとって伸展可動域を確保してextension lagを改善することはとっっても大切!

しっかりと膝の伸展機構を頭に入れて運動を行いましょう♪

 

→膝関節の全てをまとめたnoteはこちら

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