知らなかった?骨盤と腰椎も一緒に評価!股関節の可動域制限はコレだ!

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さて関節可動域を考えるシリーズです。今回は複合的な動きが大きい股関節。
あなたは股関節の可動域をどのように評価していますか?

何も考えずに大腿骨にゴニオメーターを当てていませんか?

実は股関節を評価する際には骨盤・腰椎・股関節の3つの関係性を考えて考察する必要があります。

 

股関節の解剖学的特徴「前捻角」と「頚体角」

股関節は球関節で3軸の動きを伴います。つまり屈伸・内外転・内外旋という動き。

大腿骨の頚部には前捻角という捻れがあります。成人では平均1215度程度捻れ。

また頚体角と呼ばれる大腿骨頚部と骨幹部の角度があります。平均で125135度の角度があります。

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これらのねじれがあることで股関節は単純な1軸の動きではなく3軸の動きが複合的に行われるのです。

具体的に股関節屈伸の複合運動は以下の通り

  • 屈曲+外転+外旋
  • 伸展+外転+内旋

矢状面だけではなく前額面と水平面の動きも伴うことになります。この現象は ROMや筋力強化をするときにも役立つ解剖・運動の情報です。

股関節の可動域制限は何が問題?

では具体的に股関節にはどのような可動域制限因子が考えられるでしょうか。

股関節は他の関節よりも複雑なのでまずは大まかに捉えてください。

骨・筋肉・靭帯・関節包に加えて骨盤と腰椎の協調的な動きも必要になります。

まず股関節の屈曲と伸展を考えましょう。

股関節屈曲制限因子

  • 大臀筋、中臀筋、ハムストリングス、外旋筋群(梨状筋)の臀部後側の筋肉
  • 骨盤、腰椎の動き(後傾・後弯が必要。大腿骨盤リズム→屈曲角度に伴い後弯も増加)

股関節伸展制限因子

  • 腸腰筋、大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、大腿の表側の筋肉
  • 腸骨、恥骨、坐骨大腿靭帯
  • 骨盤、腰椎の動き(前傾・前弯が必要)

他にも内・外転、内・外旋様々な動きがあります。これらの動きも肢位を変えて検査すると新しい発見があります。

例えば股関節の回旋であれば背臥位と腹臥位で検査することには違いがあります。

制限因子も使う筋肉も異なります
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背臥位での肢位→股関節屈曲90度での回旋評価
腹臥位での肢位→股関節屈曲0度での回旋評価

これで何が変わるかはオススメの解剖の教科書プロメテウス解剖学アトラスを見て考えましょうね!股関節屈曲位と伸展位では伸びる筋肉が違いますからね!

 

大腿骨盤リズムを考える

  • 前屈:腰椎は股関節と同じ貢献度
  • 後屈:腰椎は股関節と同じ貢献度
  • 側屈:腰椎は股関節の2倍の貢献度
  • 回旋:腰椎は股関節より貢献度は小さい

骨盤と大腿骨にはリズムがあります。

単純に股関節だけ屈曲すると70度程度しか曲がりません。

これに加えて骨盤が後傾することで股関節が120度近く屈曲することが可能になるのです。(いわゆる大腿骨盤リズム。→骨盤の運動についてさらに詳しく知りたい人はこちら

そのほかにも後屈時や側屈・回旋時の股関節とのバランスもわかっています。

可動域の原因は股関節か体幹なのか?これを評価する必要がありますね!

単純な前屈だけで腰椎と骨盤の動きを評価を予測することもできますよ↓

股関節の可動域訓練は端座位が有効?

股関節の可動域制限がある人にどのように可動域を獲得していけばよいでしょうか?

臨床上問題になるのはOKCでの下肢のストレッチ。
実はこれは患者さんからするとかなり怖い。
痛い足を宙ぶらりんな状態で曲げられる。

・・これは誰でも怖いです。レバーアームの長い下肢をOKCで動かしてしまうと痛みや恐怖感が出やすいです。

私が臨床上よく使う股関節の可動域訓練は

「端座位・腹臥位」でのトレーニングです。

端座位のメリットとしては大腿骨をロックしたまま臼蓋を動かすことで痛みが起こりにくいという点。

特に筋力低下や痛みが強い人は大腿骨を空中で止めておくことが難しい。だからCKCで安定した状態行うと可動域が獲得しやすいのです。

また、骨盤や腰椎の運動も伴うため複合的なROMになります。股関節の可動域制限は常に骨盤と腰椎の動きも含めて考えましょう。

腹臥位のメリットとしては短縮しやすい腹部の筋肉を伸ばせます。その上抗重力伸展活動に必要な大臀筋の刺激も入れられます。腹臥位で単純な股関節の伸展運動だけでも股関節の可動域が良くなります。

 

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まとめ

複雑な動きで大腿骨と臼蓋側の動きの評価が股関節の可動域制限を知るために必要です。学校の教科書だけにとどまらず3次元で人の体を捉えて評価していきましょう。

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