臨床で使える整形外科評価・治療コース<股関節編>

変形性股関節症・・
THA・・
大腿骨頸部骨折・・などなど

病院にいると多くの股関節疾患を担当します。

それぞれの病態を知る前に

股関節とはどのような機能で、どんな状態が良い股関節なのか?

股関節が良くなると下肢全体の状態が整い非常に動きやすくなります

今回は股関節の本質についてお伝えします。

目次

股関節の本質

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当たり前のことばかりです。

でもこの当たり前が大切。

1下肢と体幹を繋ぐのは骨盤や股関節です。
つまりダイレクトに体幹に相互影響を与えます。

2発生学的にも重要
人間は魚から進化して四足動物へと進化してきました。
その中でも魚の波動運動が今でも人間に残っています。
体幹からの波動を伝えるのは股関節になります。
股関節と脊柱のつながりは非常に重要になるわけです。

3骨盤・腰椎・股関節3つを複合的に捉える
股関節を単体で捉えてはいけません。
骨盤や腰椎の影響を直接受けるため、アライメントや筋バランスが非常に影響を及ぼします。だから骨盤と腰椎の評価を同時に行う必要があるのです。
骨盤の左右差、腰椎の可動性などなど。

股関節の良い条件とは

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これも基本的ですが、ほとんどの人ができません。

1股関節・腰椎・骨盤が別々に動くこと。
例えばドローインしたまま下肢を動かす。
体幹を固定したまま動けないということは、股関節の重みを腰に受けることに
つながります。
つまり、ひとかたまりに動いてしまうと各関節への負荷が重くなるということです。
さらに運動イメージも悪くなり、「腰回り一体」で動くことになります。
高齢者の方や腰痛の人の股関節周りを思い浮かべていただくとわかりやすいですね。

2股関節周囲筋にラグがない。
多くに人の場合、股関節周りの筋肉が低下しています。
まともに中臀筋をMMTで計測しても5になる人は少ないのです。
代償動作として体幹の側屈、骨盤の引き上げが非常に多く、股関節単体での筋力発揮が難しくなっています。これは1でもあげたように、股関節、腰椎、骨盤が別々に動くことと繋がってきます。

3大腰筋の機能が十分
下肢と体幹を繋ぐ唯一の筋肉が大腰筋です。この筋肉が固まり、筋力低下を引き起こしていると体の土台が崩れます。大腿部周囲の緊張が高くなり、足全体が必要以上に太くなります。

股関節のMMTを代償なく行う2つの方法

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もっとも簡単な方法としては

「骨盤の下制」を意識させること。

多くの人は腰方形筋で骨盤を挙上させて下肢を持ち上げます。
その代償を抑えるために骨盤の下制を指示するとうまく中臀筋に力が入ります。

次に重要なのは「体幹の位置関係を意識させる」こと

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第10肋骨とASISの位置を水平に保つ→これが体幹のニュートラルポジション。
もしこれが維持できないのであれば様々な要因が考えられます。
腹横筋の筋力低下や腰背部の緊張が強いなどなど。
これを改善させることで体幹の位置関係が整い、股関節の出力も変化します。

股関節の治療戦略

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大きく的を絞って3点を意識してみてください。
丁寧に1つずつ。
解剖・運動・生理学を意識して目の前の臨床・現象を考えてみる。
すぐにできることがいいわけではない。
考えて答えを自ら導き出すことに意味がある。

まとめ

・股関節の本質は股関節の位置と機能を考える

・良い股関節の状態は、個別に動いて、股関節周囲筋がしっかり働く

・体幹のニュートラルポジションを意識する

以上になります。

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