臨床で使える膝関節の評価・治療の本質!膝が良くなる3つの条件!

臨床でよく遭遇する膝関節疾患

ただなんとなく膝のROMエクササイズをして大腿四頭筋のトレーニングをしてハムストリングスをストレッチしていませんか?

今回は膝関節の大切な本質についてのお話です

膝関節はどんな関節か??本質がわかれば評価や治療は何でもいい。

膝の痛い・曲がらない・伸びない原因を解決しましょう!

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目次

膝関節ストレスの理解

これは膝関節に限ったことではありませんが。

・牽引
・圧迫
・曲げ
・せん断力
・ねじり

これらの物理的なストレスに着目すると理解しやすいです。
膝関節のどの部分が痛いか?関節ストレスがどのように加わっているか?

これらをしっかりと考えてみます。

例えば一般的な膝OAであれば内側に圧迫ストレス、外側に牽引ストレスが加わっています。

膝関節の3つの本質

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1股関節と足関節の中間関節

膝関節が下肢の中でも股関節と足関節の中間にあるという事実。だからどちらの関節からも影響を受けやすい。股関節や足関節の制限は直接膝関節にストレスを加える。

なぜならば股関節も足関節も自由度の高い3軸の関節であり、一方膝関節は屈伸がメインの関節だからです。

特にねじりや回旋のストレスは半月板や靭帯を痛めるストレスになりやすいので注意。

多くの場合は股関節や足関節の可動域低下→膝関節の回旋ストレスになりやすいです。

2靭帯依存が強い関節

膝関節は靭帯が周囲に巡らされ、靭帯依存が強いです。つまり、靭帯の不安定性をしっかりと評価する必要があります。

靭帯の不安定性を補うのは膝周囲の筋バランスや上下の関節の位置関係になります。

靭帯の不安定性テストにはACL・PCL・LCL・MCLがあります。

これらのバランスが崩れるとスクリューホームムーブメントも破綻し、膝に悪影響を及ぼします。

3身体重心の影響を受けやすい

上半身重心の位置によって膝のストレスは変化します。

変形性膝関節症に多いのは骨盤後傾→股関節外旋→膝屈曲・回旋という運動連鎖。

伸展可動域が減少することによって変形が進行していきます。

体幹の位置が変われば膝のストレスも軽減する良い例です。

良い膝関節の条件『good knee condition』とは

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では良い膝の条件とは何か?

PFjtFTjtの可動性に偏りがない

膝関節を大きく2つに分けてみます。 膝蓋大腿関節(PF jt)と大腿脛骨関節(FT jt)。どちらの関節に問題があるかをしっかりと評価します。特に膝蓋骨の動きは非常に制限されやすいのですが、見落としてしまう人がたくさんいます。

→詳しい膝蓋骨の評価はこちら!見るポイントを絞ることで問題点を把握しやすくなります。

2大腿四頭筋と遠位ハムストリングの緊張が少ない

膝周囲の緊張が高いことによるデメリットは沢山あります。変形した膝関節の患者さんを思い浮かべてみてください。想像がつくとおもいます。膝蓋骨や脛骨・腓骨の動きの制限や膝関節優位に姿勢戦略。

そもそも人間は膝で動く生物ではありませんので、この辺りの緊張はしっかりと落としてあげましょう。

knee strategyhip strategyへの転換

もともとの人間の活動を考えた時に膝関節を優位にした動きはあまりありません。

やはり体の中心に近い股関節が優位に働くことが重要。

下肢と脊柱をつなぐメインの筋肉は「大腰筋」です。この筋肉にスイッチが入っていることで余計な膝周りの過緊張が改善します。

運動療法でhip strategyに転換することがポイントです。→具体的な方法に関してはこちら

patellaに起こりやすい2つの問題点

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patellaには2つの問題が起こりやすいです。

patellah外側への癒着

patella下部の癒着

外側への癒着は内側広筋の筋力低下や膝伸展ROM制限、大腿筋膜張筋の固さなどなどが要因になりやすい。下部への癒着は脂肪体組織の癒着が主な原因。特にPFjtの問題は屈曲0〜30度の間で起こりやすいとされています。

これらの問題をしっかりと解決することができれば膝関節の問題(PF joint)も解決しやすくなります。

脛骨の外旋位固定

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脛骨の不良アライメントとして多いのが脛骨の外旋位固定。
脛骨の内旋が制限され外側ハムストリングスが固くなり内側ハムの機能低下が起こるどんな疾患でも起こりやすいです。

この時に評価して欲しいのは脛骨の動きと腓骨の動き。どの組織がどのあたりで動きにくくなっているかを大まかに捉えてみましょう。基本的に脛骨は外側のコンパートメントが動きやすくなっています。

膝関節の可動域制限「伸びない・曲がらない」の原因は?

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ざ〜っとあげましたが、たくさんありますw。

一つ一つ丁寧に評価して治療してを繰り返していきましょう。

特に固い筋肉同士が滑走性低下させて動きにくくしていることがありますので、その辺りの動きを引き出すことが大切。

もっと詳しく知りたい人は→膝関節可動域制限の記事へ

膝の治療戦略の優先順位

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まずはしっかりと局所の膝を評価。

その後に「なぜそのような膝になったのか」を考える。

次に患部外である股関節、足関節、身体重心の位置最後に動作を確認する。この順序で進めていくと取りこぼしがないです。

しかしこれはあくまでも理学療法の範疇での評価です。評価や治療にはもっと広い概念があることも理解しておいてください。

膝関節の整形外科テスト

・ラックマンテスト
・前方引き出し・後方引き出し
・外反、内反ストレステスト
・スローカムテスト
・マックマレーテスト
・アプレーテスト
・スクワッティングテスト
・クラークテスト

今回紹介したのは一部の整形外科テストです。

さらに詳しく知りたい人はもっと勉強しましょう。

オススメの整形外科テストの書籍はこちら↓↓


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