臨床で本当に使えるMMTの考え方!!知られていない3つの問題点とは?

学校時代に習ってきたMMT。そして実習中に必ず使うMMT。
個別の筋力を評価するために一生懸命覚えましたね。

では実際の臨床現場ではどのような筋力評価をしているのでしょうか?
今までのような学校時代に習った筋力評価で対応できるのでしょうか?

今回は学校教育におけるMMTの特徴と臨床現場で行うMMTのポイントをお伝えします。
ぜひ実習に向かう学生さんにも使えるMMTのポイントをお伝えします。

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目次


学校教育におけるMMT
の特徴

簡単にまとめると3つあります。

1検査姿勢の設定が曖昧
2量的評価(MMT0〜5段階)
3固定的な評価(ブレークテストの問題)

1検査姿勢の設定が曖昧

学校教育のMMTの問題。
MMT
の検査肢位を評価していないことが問題。

では例を1つ。
中臀筋などの筋力評価をする際の側臥位姿勢を考えてみましょう。

何気なく側臥位姿勢から足をあげて筋力評価をしてしまいませんか?側臥位姿勢が適切にとれているかを評価しないといけません。頭部の位置、胸郭の位置、骨盤のアライメント、などなど土台の部分の姿勢がしっかりとれてるかどうか?

試しに胸郭と骨盤を思いっきり捻った状態と、まっすぐに整えた状態での中臀筋のMMTを評価してみてください。おそらく 差が出るはずです。筋力が発揮しやすくなった人もいれば力が出にくくなった人もいると思います。

つまりMMTを実施するときの姿勢の評価をすることが重要。
この場合は側臥位の姿勢を評価。つまりこの評価姿勢を考える段階でMMTが始まっているのです。

2量的評価(MMT0〜5段階)に頼りすぎている
2つ目
MMTが量的な評価に偏りすぎていること。
学生さんは特にこの傾向が強い。
05段階評価の数値だけに捉われてしまうことによりも大切なことがあります。
肝心なのは・・筋力の質を評価すること!!

これも例をひとつ挙げましょう。
中臀筋の筋力低下でおこりやすいトレンデレンブルグ歩行。

よくある話で「中臀筋のMMT5なんですけど、トレンデレンブルグ歩行になっていて、、、」
この現象を説明します。

まずトレンデレンブルグ歩行がどの立脚相で起こっているか?
初期なのか中期なのか後期なのか?どの時期の中臀筋の出力を評価したいのか?
そしてどんな筋出力を評価したいのか。筋は張力によって出力が変化します。

筋力評価で確認したいのは短縮位での出力なのか、伸長位なのか、また等尺性か等張性の出力評価なのかも考えないといけない。

また中臀筋の起始停止を考えてみましょう。
扇状の中臀筋は前部と後部に分けることが可能で、それぞれ役割が異なります。
つまりMMT0〜5段階に分けるよりも筋肉のどんな収縮形態を必要とするのか?が大事

→さらにトレンデレンブルグ歩行について知りたい人はこちら

3ブレークテストの問題

3つ目はブレークテストの問題。学校教育では静止性収縮である一定の関節の位置での筋力を発揮を評価します。しかし臨床では様々な張力・収縮様式が動作に求められます。

臨床でつかえるMMTにするための3つのポイント

上記のことをまとめると以下のように考えると臨床でのMMTが武器になります。

1検査姿勢の評価(姿勢変化による筋出力の変化)

2どんな筋出力を評価したいのか考える(張力変化、収縮様式の変化)

3その他に影響する因子を考える

  (中臀筋の出力変化を起こす要因を中臀筋以外から考える)

私が必要とする筋出力の定義としては

「あらゆる場面でもどんな方向からでも力を発揮できること」です。

固定的な一場面だけの筋力評価では臨床では使えないことがあります。

自らの思考をフル稼動させてMMTをしてみましょう。

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