人工膝関節(TKA)にしても痛みがとれない理由! 膝内側部にかかる負担と術中操作!!

人工膝関節置換術をしたのにも関わらず痛みが取れない…

あれ、レントゲン上曲がっていた膝がまっすぐ伸びているにのなんでだろう…。。

こんな患者さんいませんか?

実は人工膝関節にしても痛みが取れない人には理由があると思っている

 

手術前に膝を見ておけば手術で痛みがとれるか・とれないか大まかに判断することが可能な場合もあると感じています。

まあ科学的な根拠はないので理学療法士の一意見だと思ってくださいね_φ( ̄ー ̄ )

手術前リハビリでただ筋力と可動域だけ計測すればいいと思っていませんか?

もっと細かい評価をすることによって術後の疼痛改善を予測することが可能かもよ?

目次

人工膝関節にして痛みがとれそうな予測

  • 明らかな荷重時痛である
  • 膝全体の痛みの訴えが強い
  • 膝の伸展機構が保たれている(extension lagがないor伸展角度制限が15°以下)

人工膝関節にしても痛みがとれにくい予測

  • 膝の伸展機構が破綻している(lagあり、伸展制限15°以上)
  • 膝の痛みが局所。つまり鵞足炎や脂肪帯炎などの局所的な問題
  • 体幹や股関節、足関節アライメント不良が著明(回旋制限など)
  • 合併症があり術後のカラダへのストレスが大きくなりそうな人

 

つまり、人工関節にしても痛みが取れない場合は大腿骨や脛骨の関節面由来の痛みではないという場合。もしくは他のマルアライメントと膝関節の伸展機構が破綻している場合の2つです。

この2つの状態を満たしていると人工膝関節にしても痛みが取りきれないことが多いなって感じです。捉え方によっては理学療法で疼痛が改善する可能性が高いということです。

 

よくあるパターンとしては鵞足炎が多い・・

手術前から鵞足部に疼痛を訴えており鵞足部周囲にストレスを加えるようなアライメントや動作をしている。

術後も足関節や股関節などの変化はないため術前の歩行ストレスは残存し鵞足部に疼痛を出す。(もちろん手術で侵襲するので痛いのですが)

TKAによって起こる軟部組織のバランス不良

TKAを行うことで内側・外側の軟部組織のバランスが崩れる。というよりも硬くなっていた組織の癒着を術中に剥離するから。

  • MCL
  • 後内側関節包
  • 鵞足に付いている筋群

の剥離操作を行う。

術前の多くは屈曲・内反位であり、術後には完全伸展が可能なバランスに変化している。

このアライメントの変化によって内側の組織には伸張ストレスが加わり、術後の痛みに関連する。

 

まとめ

我々理学療法士は「変形性膝関節症」という病気の名前を更に細かく鑑別する必要があるのです。

どこが痛いのか?大腿骨・脛骨・膝蓋骨どこに問題があるのか?膝だけの問題なのか?機能的な問題か器質的な問題なのか?

を考えてみましょう!

→膝関節の詳しい痛みの鑑別ポイントはこちらのnoteで説明

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