股関節評価~FAIについて~
今回はスポーツ選手に多い股関節疾患
FAIとグローインペインについての勉強会を行いました。
サッカー選手やラグビー選手に多い「股関節痛」
股関節前面に疼痛を訴えるが
イマイチその病態の鑑別が分からない方。
スペシャルテストと圧痛点ROMとMMTを細かく設定することにより
鑑別が可能になります。
第1弾としてFAIを取り上げてみます。
<FAIってどんな病気?>
FAIとはFemoroacetabular impingement
大腿臼蓋インピンジメントということです。
病態としては、大腿骨か寛骨臼の形態異常により
股関節の関節唇を損傷してしまうことです。
FAIには主に3つの種類があります。
1Cam type(大腿骨頸部が太い)
2pincer type(寛骨臼の幅が広い)
3combined type(1・2の両方)
また股関節学会での診断基準も細かく設定されています。
主に画像についての所見が多いようです。
整形外科テストの感度があまりよくないようで…
<日本股関節学会の診断基準>
画像所見
CE角25度以上
1Pincer typeのインピンジメントを示唆する所見
CE角40度以上
CE角30度以上かつARO0°以下
CE角25度以上かつCross-over sign陽性
正確なX線正面像による評価を要する。
2Cam typeのインピンジメントを示唆する所見
主項目:α角(55度以上)
副項目:Head-neck offset(8mm未満)、
Pistol grip deformity
Herniation pit (主項目を含む2項目以上の所見を要する)
*X線、CT、MRIのいずれによる評価も可。
身体所見(参考所見)
インピンジメントテスト陽性、Patrickテスト(FABERテスト)陽性、 股関節屈曲内旋角度の低下
FAIに関しては整形外科テストよりも画像診断が優先順位としては高いと思います。
FAI以外にも股関節周囲に痛みを出す病態はあります。
次回お伝えするグローインペインもその内の一つです。
疼痛部位だけでもかなりばらつきがあります。
臨床上痛みがとれず、困っているかたは股関節専門の医師にしっかりと画像評価してもらうことをお勧めします。