「体幹が大事だ!体幹の評価をしなくちゃ!」
なんて実習中に言われたことありませんか?確かに体幹は身体の中心に成りますので非常に重要な人間の構成要素です。しかし、学校教育では全く体幹の評価や治療を教えてくれません。大切なことは早く教えて欲しいところですが体幹の評価は難しいといえば難しいです。
今回は理学療法士学生でも簡単に行える体幹の評価をお伝えします。あっでも深い内容や臨床で使えそうな方法もご紹介しますね!!
体幹の定義とインナーマッスルについて
そもそも体幹とはどの部分なのか?基本的には四肢と頭を除いた部分を体幹を呼びます。狭い意味合いで体幹と捉えるのであれば肋骨から下、骨盤より上の骨がない空間になります。
またコアと呼ばれる4つのインナーマッスルは「腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋」になります。最低限名前だけは理解しておきましょう。この4つの筋肉はほとんど共同して動くため、1つのインナーマッスルトレーニングだけでも十分にインナーマッスルを刺戟することができます。
もっと詳しく体幹について知りたい人はこちらへ→体幹の評価・治療・トレーニングについて
ちょっと骨盤の解剖と運動を知っておこう!
体幹となると幅が広いのですが、骨盤の解剖と運動は知っておきましょう。寛骨と仙骨に分けて考えてくださいね。まず仙骨のニューテーションとカウンターニューテーションを知っておきましょ。
- ニューテーション:仙骨のうなずき、寛骨の後方回旋→安定
- カウンターニューテーション:仙骨の起き上がり、寛骨の前方回旋→不安定
となります。
基本的にはニューテーションの状態の方が安定するため好まれます。でもこれもケースバイケース↓↓
仙骨のニューテーション?カウンターニューテーション?なんだっけ?という人のために。
どちらがいいというよりもケースバイケースなんです。
急性腰痛ではカウンターにした方が良い時もあったし。
この記事わかりやすいです↓https://t.co/UDJfqh5Gh7 pic.twitter.com/L1HcZOa6D1
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) February 5, 2017
骨盤触診のポイント!ここだけは触れるようにしておこう!!
当たり前ですが触診が超重要になります。最低でもこの3点は触れるようにしておきましょ!!
- 上前腸骨棘
- 上後腸骨棘
- 仙骨下外側角
これが触れれば寛骨と仙骨の位置関係やアライメントが評価できるようになります。先ほどのニューテーションやカウンターニューテーションを評価するためにも重要な触診ポイント。
ダイアンリーさんの骨盤帯の書籍に詳しく書いてあるのですが、なんせ読むのが大変な本ですw。でもさらっと深いこと書いてあるので見逃さないようにしてくださいね。
体幹の評価〜骨盤から捉える〜動画
動画も載せておきます!!
体幹のニュートラルなポジションを5つの視点から評価
1ASIS(上前腸骨棘)と第10肋骨と恥骨結合が水平
静的な状態ではこれを評価しましょう。臨床上よく見る体幹評価です。肋骨部分が高ければ腹斜筋の固さやドローインが出来ないくらい腰背部が固いかコアコントロールが下手です。ASISが高い場合は骨盤の前傾を示しています。実際に患者さんや腰痛持ちの人はニュートラルが作れないことがほとんどです。
2頭部~胸郭~骨盤~下肢が1直線上にある
学校でならった姿勢の正常よりも大雑把です。これくらいでいいです。とりあえず。物理的に物の上に物があれば安定します。前後にズレればそれだけ筋肉や関節に負担がかかります。
3矢状面上での骨盤の傾きASISがPSISよりも指1〜2押し低い
通常の骨盤は軽く前傾になっています。正確にいうと仙骨のニューテーションがある方が安定します。(基本的には。)なので、矢状面上で骨盤の傾きを確認しましょう。ASISがPSISよりも高い場合は骨盤後傾を示します。
4前から見た時に両側のASISが同じ位置
ASISは何かと指標になります。両側同じ水平ラインが良いですが、左右差がある場合はどちらかが骨盤の前方回旋・後方回旋や挙上・下制になっているかもしれないと示唆。
5後ろから見た時にPSISか仙骨下外側角が同じ位置
しかし実際に左右対称の人間はいないので多少のズレは問題ありません。というよりも障害が出ていない範囲のズレであれば問題なしです。上記のニュートラルは静的な状態です。
体幹の動的な評価
静的な評価だけではなんとも言えない・・・そんな時はうごかしてみよう!
動作中に体幹のニュートラルが崩れないで動かせるかどうか。
例えば上肢を挙上したときに肋骨が浮き上がり、ASISと第10肋骨の水平が崩れてしまう。これは動的な体幹の評価としては問題です。つまり上肢挙上に関わる筋群のタイトネスが体幹のニュートラルを崩して腰痛などを引き起こす可能性があるということです。
「じゃあやっぱり体幹って固め方がいいんだ!!」という考えはちょっと待った。こちらの記事を見ておいてほしい→体幹の固める・固めないの論議
腹直筋鞘はあらゆる方向へ動かされる。
腹直筋トレーニングで体幹を屈曲する運動ばかりやるのは腹直筋鞘の対応力を失う。
要はお腹が伸び縮み色んな方向に動くことが大切
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年2月24日
体幹の評価をしてニュートラルが崩れている…と判断したのであればそれから詳細な問題を探っていきます。
多くの場合ハムストリングス・腸腰筋・臀筋群・大腿四頭筋・胸腰筋膜などの筋群が問題を起こしていることが見受けられます。学生のみなさん、体幹をしっかりと評価すると新たな視点が見えてくるかもしれません。
他にも肩や股関節にもインナーマッスルはありますし、インナーマッスルトレーニングの方法も様々です。これからFree PT salonでいろんなトレーニング動画も少しずつ流していきますね!