長母趾屈筋をストレッチする前に知ってほしい機能解剖と歩行・背屈制限の関係性!

リハビリ学生時代にはあまり気にしない「長母趾屈筋」

でも臨床においてはしばしば歩行の問題になっていたり、足関節背屈制限になっていたり。その辺りを機能解剖から紐解いていきましょう!動画で説明入れておきました!

おりゃー!っと長母趾屈筋をやみくもにストレッチする前に機能解剖と歩行や背屈の関係性について知っておきましょ!

  • なぜその筋肉をストレッチするのか?
  • なぜその筋肉の筋力強化が必要なのか?
  • なぜその筋肉が歩行や足関節に重要なのか??

基礎から理解したら応用できます!

みなさんお臨床にお役立ちできるように^ – ^

目次

意外と知らない?長母趾屈筋の大きさ

長母趾屈筋の大きさを知ってますか?

実は大きい!!ということをお伝えしたいわけです!

<下腿後区画の重量比>

  • 後脛骨筋:50%
  • 長母趾屈筋:31%
  • 長趾屈筋:18%

(詳しくは町田先生のいまさら聞けない解剖学を受講してほしい)

ん〜〜でかいw

やっぱり筋肉自体が大きければそれだけ重要度は増すわけです。

一番大きいには後脛骨筋。(だから後脛骨筋の調整はとても大事。起始停止を考えても非常に重要なポイント)次に大きいのが長母趾屈筋なわけです。

なぜ長母趾屈筋が大きいのか?必要だから大きい。人間とはとても神秘な動物なのだ。

その理由を考えてみよう。

あっその前に。長母趾屈筋は50%の確率で分離して第2・3趾へ付着する。むしろ単独で母趾に着くのは極めて稀なわけです。(でも作用は基本的には母趾の屈曲に働く。)

母趾の重要性を運動・解剖学から考える

「母趾を屈曲で使う」ということはどのようなメリットがあるのか?

  • 支持基底面が増える(安定性限界↑)
  • 母趾はメカノレセプターが多い(感覚入力↑)
  • 発生学的に2足歩行を行う際に母趾の屈曲が重要
  • COPは最終的には母趾にかかるようになっている

というわけです。

まとめると長母趾屈筋によって地面を蹴ったり捉えたりすることは臨床上とっても大切ということ。機能低下を起こすことで立位のバランスが崩れたり、歩行の蹴り出しができなかったりするというわけです。

長母趾屈筋の短縮と足関節背屈制限について

これは臨床上よく経験する。

長母趾屈筋の短縮は距骨の後方を通るため、距骨後方の滑り込みを悪化させてしまう。

すると背屈制限や背屈時の足のつまり感を引き起こしてしまう。

でも長母趾屈筋の短縮の影響はこれだけでは終わらない✌︎(‘ω’✌︎ )

長母趾屈筋の近くには後脛骨筋・長趾屈筋なども走行しているためこれらの筋肉との滑走性を低下させてしまうことになる。いわゆるシンスプリントは後脛骨筋と長母趾屈筋の癒着が問題となることが非常に多い。

だからしっかりと長母趾屈筋が硬くならないように癒着をさせないように滑走性を出してあげよう!(特に下腿をギプス固定で巻かれている場合は注意!しっかりと癒着しないように運動療法を取り入れましょ)

→他の背屈制限の要素を知りたい人はこちら

長母趾屈筋と運動連鎖の関係性

 

長母趾屈筋が機能するかしないかは歩行にとっても大切なポイント。

特に運動連鎖的に関係する。

  • 長母趾屈筋の短縮→母趾底屈位→1列底屈→下腿内旋・大腿骨外旋
  • 長母趾屈筋の弱化→母趾背屈位→1列背屈→下腿外旋・大腿骨内旋

となるわけです。(もちろんこれだけでは決まらないので。他の要素も関係性を考えながら臨床で応用してね)

→1列を深く理解したい人はこちらの記事をどうぞ

他の足趾に関しても歩行中に過剰に屈曲したりすると運動連鎖で距骨下関節が回外して立脚が不安定になったりもしますね。

入谷式足底板を習っている人であればテーピングですぐに改善できてしまいますが、徒手や運動療法でも十分に改善の余地はある。母趾のアライメントを評価してマッスルバランスを考えればいいのだから。

もし長母趾屈筋短縮によって母趾が底屈位であれば、それを改善すれば歩行も変わるし回旋のストレスも変わる。(関係性的には立脚後期ですね。→歩行分析は3つのポイントから理解しよう

長母趾屈筋の短縮が与える歩行の関係性

歩行と長母趾屈筋の短縮の影響はとてもいろんなパターンがある。。

歩行時にはこんなことが起こる

  1. 長母趾屈筋の短縮
  2. 足底腱膜の緊張が作り出せない(立脚後期)
  3. 足部の剛性が作り出せない。立脚後期が早くなる

とかとか。

他にも

  1. 長母趾屈筋の短縮
  2. アーチが高まり距骨下関節回外から立脚が不安定になる(立脚中期)
  3. 立脚中期での問題が起こる(左右の動揺など)

などなど。

本当にパターンはたくさんあるので着目してほしい。歩行はやっぱり立脚の層で分けると理解しやすい!

長母趾屈筋の筋力と可動域評価(動画で説明)

ではちょっと臨床的なお話。

長母趾屈筋の筋力と可動域評価はどうすれば良いのか?

簡単な方法はこれ。

  • MP関節からしっかりと完全屈曲できるかどうか?
  • 背屈時に母趾が底屈しないかどうか?

これがポイントになる。

具体的には動画で説明しますね。

下肢のnoteで長母趾屈筋の治療についての動画も送りますので興味のある方はメッセージください

まとめ

  • 長母趾屈筋は大きい
  • 母趾の作用は立位バランス・立脚後期の歩行に非常に重要
  • 長母趾屈筋の評価も足部における臨床では大切(特に背屈制限)

他にも外反母趾の人の長母趾屈筋のケース(作用が変わるので長母趾屈筋の短縮は外反母趾を助長する)だったり、足底腱膜や長趾屈筋の関係性もあったり、足趾は深いんですわ〜!

色々見てみましょ〜足趾!!

 

→歩行について長母趾屈筋の関係性を知りたい人はこちら

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