なぜスポーツ選手は再発するのか
リハビリをしていてこんな経験はないでしょうか?
ACL損傷後で筋力と可動域は戻ったのに再受傷・・
足関節捻挫後、すぐにまた捻挫をしてしまった・・
グローペインが治った後にサッカーをしたらまた鼠径部が痛くなった・・
このような苦い思い出は誰しもが経験していると思います。
ではなぜスポーツ選手は怪我を再発するのか?
怪我をしない体とはどのような特徴があるのか?
TAP UP TV LIVEで説明しきれなかった部分をお伝えします。
参加された先生・スタッフの皆様ありがとうございました。
ケガをしないスポーツ選手の定義
これは自論です。
「一寸の狂いもなく自分の思い通りの動きが再現出来る体」
つまり、脳で思った運動が体で狂わずに表現できることです。
例えば自分の身体の耳を触ることは誰でもできます。
これも十分な運動です。
では、目をつぶって真っ直ぐジャンプしたときに元の位置に戻れるか?
どうでしょうか?
これが更に難しくなって
サッカーボールを蹴って相手のゴールの枠に入れる
というようなスポーツ課題に変わる。
これが寸分も狂わず自分の思い通りになれば精度の高いシュートになります。
極論これが捻挫をしそうな場面であれば
捻挫をしないように足首をコントロールできるはずです。
怪我をしないように適切に自分の体をコントロールできれば再発はしない。
外観と内観の統合(外部・内部受容器の統合)
私が現在気にしているスポーツ選手の評価です。
外部受容器:視覚、聴覚、味覚、嗅覚
内部受容器:筋肉、腱、関節、内耳、内臓
これらの外部と内部の受容器がしっかりと統合されることが大切。
自分の体がどうなっているかということと
相手やボール、他の外部状況がどうなっているかをすり合わせる。
ここにズレが生じるとスポーツ動作が上手くいかない。
筋力を上げたり、可動域を上げたりすることはあくまでも
内部受容器に関すること。
もちろん重要です。
しかしそれだけでは怪我をしたりスポーツが上手くいかなかったりすることは
感覚的にわかるはず。
さらにはメンタルやスキルという部分も影響を及ぼします。
だからフィジカルだけでは足りない。
全てを統合的にみていく必要があります。
Good joint condition 〜怪我をしない関節状態〜
これは私の造語。
フィジカルという部分での土台として整えていく必要がある部分です。
つまり怪我をしない関節状態=良い関節の状態
元々人間が得意としている体の状態に近づけることです。
各関節ごとに定義を作りました。
足関節
足関節は地面に唯一接している関節です。
まずこの部分に可動域制限があること自体問題です。
データとしても足関節背屈10度制限で障害が増えやすいと言われています。
また足部周囲が固くなって、圧痛が多いということは
「足部への依存が大きく、姿勢や動作戦略としても強いということ」
この状態になると捻挫や外反母趾、第5中足骨骨折、前足部障害が起きやすい。
まずは足部への可動域を改善させ、自動で全て動くようにする。
そして足部への依存を減らして股関節戦略へ移行させる。
膝関節
膝関節は膝優位の動作・姿勢戦略になっていることが問題になります。
「膝周りの筋肉が固く、圧痛がある状態」
これが膝優位で動いている状態です。
私は必要以上に大腿四頭筋やハムストリングスを鍛えすぎなくても良いと考えています。
(競技にもよりますが)
股関節優位に動くことで膝周りの筋肉の緊張や固さは自然と消えていきます。
ストレッチだけでは改善しないのは本来のスイッチである股関節が入っていないからです。
股関節
根本的に人間は股関節を優位に使って動く動物です。
発生学を学ぶとより理解しやすいと思います。
(魚~哺乳類~四足動物~人間への進化過程)
どんなんトレーニングでも良いですが
「十分な可動域とそれを維持できる筋力」が重要です。
体幹
「固めることも柔らかくすることもできて
背骨1つ1つを自分でコントロールできる体幹」
これを作ることが怪我の予防とパフォーマンスアップにつながります。
そもそも現代人は体幹筋力が異常に弱いのでまずは固めてください。
次にそれを崩す作業。
柔らかく、背骨を自動でコントロールできるようにすること。
他動ではなく、自動です。
スポーツ選手コンディションチェック動画
1スポーツ選手の下肢コンディションチェック
2 スポーツ選手の体幹コンディションチェック
3スポーツ選手の立位コンディションチェック
まとめ
・怪我をしない選手の特徴を理解しておく
・フィジカルだけではなくメンタルやスキルも影響
・外部、内部受容器の統合がスポーツのズレを減らす
・各関節の最高の状態を理解する
・自分で実践して体得する→説得力が増す
今後のセミナー情報
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