肘関節の可動域制限と全身への運動連鎖

普段あまり見ることが少ない「肘関節」
実はこの肘関節からの全身への運動連鎖は知っておいたほうが良い。
もちろん局所的な運動学やバイオメカニクス、解剖学は必須です。

目次

肘関節の屈曲・伸展

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肘関節の可動域は屈曲145°、伸展0°(過伸展する人もいる)
特に複雑な動きはないのが特徴。
強いて言うならカパンディさんの3種類のタイプがあるけど・・
普通に生活しているのであれば肘関節を屈曲位に使うことが多いため、伸展制限が生じることが多い。
また最近ではパソコンやスマホで橈屈・回外・伸展制限が出やすいのも特徴。

肘関節の回内・回外

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図は機能解剖学的触診技術〜上肢〜から(林典雄)引用
運動療法のための 機能解剖学的触診技術 上肢

肘関節の回内・回外は2つの運動が伴う。
Spin movementとWiper movement。
近位:Spin movement
遠位:Wiper movement

回外から回内するときに橈骨は2mm外側に移動する。
この外側にある靭帯(橈骨輪状靭帯や外側側副靭帯)が固くなると回内が制限されてしまう。同時に外側の靭帯が固くなると屈曲や伸展の可動域制限にも影響する。

主に制限となるの近位の肘関節側。しかし、最近ではスマホやパソコンの使用により遠位のWiper movement制限されることもしばしばある。

肘関節からのアライメント予測

 

まずは立位から確認してみましょう。

・肘関節が屈曲しているかどうか?
・外反に左右差があるか?
・肘関節は回内しているか回外しているか?
・立位姿勢はどうか?
・肩甲骨のアライメントはどうか?

これらをチェックして肩や手関節に波及させて臨床を考えましょう!
肘関節のマッスルバランスがどのように肩甲骨や体幹に影響を与えるか考えましょう。
特に上腕二頭筋長頭に注意。

 

肘関節の屈曲・伸展制限因子

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少し大まかに分けました。
一つ一つの筋肉を細かく分けて触診して制限因子を探ることが大切です。
また関節包に関しては前方は上腕筋・後方には上腕三頭筋内側頭が付着しています。輪切りの断面図を見ると深層まで付いている筋肉なので、早期から収縮を入れると肘関節の拘縮を防ぐことができます。

また、内側・外側の靭帯も制限因子に関与します。内側は後斜走繊維、外側は外側尺骨靭帯が屈曲の制限因子になりやすいです。内反・外反を誘導しながら制限を確認していきましょう!

肘関節の回内・回外制限因子

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回内・回外制限は肩関節の制限に影響を与えます。
しっかりと肘関節の動きを引き出すことが大切です。
よくあるのは回外制限→外側靭帯・橈骨輪状靭帯が固くなる→屈曲制限→
といった流れによく出会います。

肘関節の回内・回外の運動連鎖

 

これは実践すると分かりやすい。

前腕の回内→上腕骨内旋→肩甲帯挙上
前腕の回外→上腕骨外旋→肩甲帯下制

現代人の多くは前腕回内による運動連鎖が優位。
なぜなら猫背やスマホなど、屈曲位姿勢が長いため。
だから肩関節の外旋可動域低下も誘発されやすい。
まず抹消の回外から誘導して肩関節の外旋を考えても良いかもしれませんね!

肘関節のまとめ

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なかなか理学療法士が「肘疾患」を見ることは少ないかもしれません。
でも肘が与える影響は大きく、特に上下への関節の連鎖は見逃せないポイントです。しっかりと制限を改善して良い運動の連鎖を導いていきましょう!

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