臨床経験10年目が語る歩行分析〜正常?異常?歩行周期に何をどうみる?〜

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どうも吉田です。

今日は「歩行分析」についてのPhysio365の記事をブログにも載せておきます。

 

さてこの歩行分析・・・めちゃくちゃ難しいw

 

吉田も学生時代やPT若手の頃は本当にずっと歩行を見ていたけど。

「なんかよくわからない・・・」

というのが感想

 

でもそれって歩行分析という事象の捉え方の問題なんですね。

スーパーシンプルに捉えていきましょう。

ちなみに歩行について勉強するための書籍としておすすめなのはこれ↓

教科書的に歩行を理解するためには一番良いと思います。

ではいきましょう。歩行分析について。

歩行の層分けについて

1. 初期接地(Initial Contact;以下,IC)
2. 荷重応答期(Lording Response;以下,LR)
3. 立脚中期(Mid Stance;以下,MSt)
4. 立脚終期(Terminal Stance;以下,TSt)
5. 前遊脚期(Pre Swing;以下,PSw)
6. 遊脚初期(Initial Swing;以下,ISw)
7. 遊脚中期(Mid Swing;以下,MSw)
8. 遊脚終期(Terminal Swing;以下,TSw)

というのは前提知識として必要です。

でも臨床上分析するために見る部位は立脚期のみです。

IC〜LR〜MSt〜TStです。

 

これ以外の「遊脚期」は地面に接していません。だから遊脚期の反応はその手前の立脚期。つまり「立脚期」の反応が「遊脚期」にあらわれるものとして捉えていきます。

 

だから立脚期をみて欲しいのです。

 

そう、歩行分析を難しくしているのは「見なきゃいけない余計なものが多い」ということです。だからシンプルにその余計なものを削ぎ落とせばOK。

遊脚期を無視していいのであればかなり見る部分が限定されますね。

見るべきポイントは立脚の初期から

歩行は一連の流れからなります。ではどこから見たらいいのか?という順序も大事です。

もうこれは鉄則で。立脚の初期から見ましょう。

そう。絶対に立脚の初期。

なぜならその後の反応は全て立脚初期からの影響を受けるからです。

立脚の中期や終期から歩行を見ても手前の運動の連鎖がわからない。だから立脚の初期を見ることがポイント。

患部?全体?どこから見ればいい?

これも鉄則です。

患部です。

運動連鎖を勉強して得意になりすぎると「患部から遠い場所から評価をしようとする」というマジカルなことをする人が増えます。

いえいえ。

  • 膝が痛いなら膝から見ましょう
  • 股関節が痛いなら股関節から見ましょう
  • 腰が痛いなら腰から見ましょう

 

患部のメカニカルストレスがどうなっているかが一番大事で、かつその情報がなければ運動連鎖の関連付けができません。

メカニカルストレスとは屈曲・伸展・側屈・回旋・圧迫・牽引などのストレスです。そのストレスが関節に加わっているかを見ましょう。

正常歩行からの逸脱を訳すと・・

よくこの表現を見ますね。

「正常歩行からの逸脱」

なんじゃいそりゃ、って突っ込みたいですね。

 

ここで正常歩行から逸脱する全ての関節運動を捉えようとするから難しくなります。ヤンキーの歩行も正常歩行じゃないと思うしねw

 

これを吉田なりにスーパーシンプルに訳すと

1側方にぶれていないか
2リズムの崩れ

この2つに集約できます。

 

まず1つの目の側方へのブレについてです。

歩行という動作は矢状面上で前に進む運動です。進行方向に進む運動です。

 

だから側方にぶれるということ自体、エネルギーのロスになります。

・トレンデレンブルグ歩行
・ドゥシェンヌ歩行
・ラテラルスラスト
・knee-in

など。かなり多くの跛行が「側方にブレる」という動きです。

つまりこの側方に流れているエネルギーを前方の推進力に変えてあげればスムーズな歩行に変わるのです。

 

2つ目のリズムについて。

側方だけではなく、膝の過伸展でのロックや大臀筋弱化歩行、鶏歩などの跛行もあります。この時は側方にはぶれません。ただ、「リズム」は大きく変わります。

異常歩行が起きる場合はその問題となる立脚期が遅くなるor早くなるという特徴があります。

見る視点

吉田は基本的に前額面の一方向からの観察だけで終わりにします。

え?水平面とか回旋とか見ないの??

はい、見ません。

というかそこまで時間をかけられないからです。あくまでも歩行分析は理学所見の1つ。

 

歩行分析が最強なわけではないですよね。

 

でも制度は高めたいので。

前額面からみるデメリットを潰せばいいのです。

 

矢状面、水平面の問題→リズムに現れます。

 

だからリズムをしっかりと捉えます。

IC〜LR(立脚初期)

メチャクチャ大事です。かかとをついた瞬間から上行性運動連鎖が始まります。でもシンプルに捉えましょう。特に距骨下関節の回内・回外という動きが重要です。この回内した時、回外した時の解剖学的な反応を覚えておきましょう。

 

視覚的には内側に倒れるのか、外側に倒れるのか。を見ましょう。それ以外はリズムの崩れを見ましょう。

 

視覚的には
・距骨下関節が回内するのか・回外するのか
・膝が内側に入るのか・外側にブレるのか
・股関節が内転位・外転位なのか

リズムとしては
・過伸展
・トレンデレンブルグ、ドゥシェンヌ歩行
・立脚初期のラテラルスラスト
・過剰なknee-in

といった感じで評価していきます。

 

これだけ。

もしIC〜LRの正常な反応を作り出すためには?という表現をするのであれば

・距骨下関節の回内・回外の過剰な制限がなく踵骨が直立化した状態

 

を作り出すことが望ましいです

MSt(立脚中期)

 


立脚中期に関しては「アーチ構造」が重要です

・横アーチ(中足骨レベル、楔状骨レベル)
・内側縦アーチ
・外側縦アーチ

がしっかりと構成されていることが大事です。

 

このアーチ構造がたわみを持っていることがポイント。多くの場合はアーチの低下が問題視されます。

確かに問題。ではどのアーチから修正すればいい?むしろ機能的にアーチの修正は可能なの?って所になりますね。

アーチの構成でもっとも大事なのは

外側縦アーチ

です。

アーチ構造の説明、評価、治療については吉田の下記のブログからどうぞ↓

足関節アーチ構造まとめ!内・外側縦アーチ・横アーチの構造と機能からリハビリを考える

 

このアーチ構造を形成しないと内側縦アーチ、横アーチは形成されにくいです。なのでしっかりと外側の縦アーチを作りましょう。

徒手的な方法もありますがパッドを使うと簡単に外側縦アーチの形成が簡単です。

立方骨のあたりに1mm程度の厚さのパッドを当ててみましょう。

もちろんパッド以外に機能的な部分での改善も必要です。

特に小指側、立方骨周囲の軟部組織のリリースは重要です。

 

そしてもう一つ立脚中期で大事な要素は「背屈可動域10度」です。

 

この可動域がない場合は確実に他の関節へのメカニカルストレスが増えます。

しっかりと背屈角度を保つようにしましょう。

 

Tst(立脚後期)

立脚後期で大切なのはMTP関節を軸にしたforefoot rocker機能です。

と、これだと教科書的すぎるのでもっとわかりやすく説明しますね。

・MTP関節伸展(30度必要)
・距舟関節の外がえし
・1列の底屈
・距骨下関節の回外

これらが伴ってウィンドラス機構で足部の剛性が高まり、しっかりと蹴り出すことができます。

 

もちろんこの手前の立脚中期から

・下腿三頭筋が十分な柔軟性を確保
・下腿前傾できる足関節背屈角度10度以上あること

これらが上記の立脚後期を生む準備になります。

 

しっかりと立脚後期でMP関節が伸展して母趾でしっかり蹴り出すことができると→歩幅増加→股関節屈筋群の負担軽減→体幹の回旋ストレスの軽減まで繋がります。

ね。深いですよね、歩行。

 

歩行分析はあくまで評価の1材料

歩行分析って難しくしようと思えばいくらでも難しくできます

歩行分析に時間をたくさんかけることもできます

歩行分析に何十枚もレポートを書くこともできます

では本質的にクライアントさんや患者さんの役に立つのでしょうか?

歩行分析ってセラピストの「主」になりそうな評価武器に見えますが。

あくまで1つの情報であり予測です。

 

他の問診や触診などと合わせて総合的に評価する1つの材料です。

  • 遊脚期は?
  • 立脚期は?
  • モーメントは?
  • ケーデンスは?
  • それぞれの関節の動きは?
  • 使っている筋肉は?

1つ歩行という現象を複雑化することが全てではありません。

このあたりはテクノロジーの方が得意になっていくはずです

これは先週のインソール記事で説明しました↓

むしろ数歩歩いて「あっなんとなくこのあたり問題なんだなー」って

シンプルに捉えて見る情報を抽象化することも大事です。

その歩行分析という情報に肉付けしながら問題を探すことが本質的だと思います。

臨床10年経ちましたが。見る部分をよりシンプルに削ぎ落としています。

臨床的な歩行分析のまとめ

・立脚期から分析
・立脚の初期、患部からみる
・患部のメカニカルストレスを捉える
・側方へのブレ、リズムの崩れを見る
・どの層に問題があるかを分析する(初期、中期、終期)

超シンプルにまとめるとこの要素です。

余裕が出てきたら他の関節や遊脚期の分析も良いと思いますが。

PT10年やってきた今現在の吉田の歩行分析はこれです。

これでしっかりとインソールも処方できるし、テーピングやパッドで歩行を変えること、ストレスを変えることは可能です。

丁寧に歩行をみる練習をしてみてください( ´∀`)

来週は具体的な歩行の症例を出してやってみますねー!!

では〜!!

 

こちらも参考に↓

1万文字以上の歩行分析note!!

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吉田直紀

吉田直紀

フリーランス理学療法士!「病院に行かない文化をつくる」がモットー。つくば・代々木で施術・トレーニング・ピラティス・インソール作成!!年間600人の専門家指導/月間10万PVメディア/さらに詳しいプロフィールはこちらから