体幹の中心部分である骨盤〜脊柱までの臨床評価について。
ただ骨盤の前後傾だけの評価ではまだまだ不十分。
仙骨、寛骨のアライメント、姿勢、マッスルバランスなどから予測を立てていきましょ。
骨盤を中心に触診〜評価まで実施!
吉田の体幹の考え
これは完全なオリジナルな考え。十分な可動域と回旋は安全で強くハイパフォーマンスを発揮するということ。だから運動連鎖でも同じように、可動域の制限は全てを下げてしまう可能性がある。
これを3次元で捉えると特に「回旋」という動きが重要なんです。
だから単純に可動域制限を作らない。「回旋」は特に!ということです。
ニューテーションとカウンターニューテーションって??
- ニューテーション→仙骨のうなづき運動・寛骨の後方回旋
- カウンターニューテーション→仙骨の起き上がり運動・寛骨の前方回旋
です。
とっても簡単に説明するとニューテーションは安定、カウンターニューテーションは不安定になると言われています。でもこれはケースバイケースです。カウンターニューテーションにすると動きが良くなったり、痛みが緩和する人もいます。
仙骨のニューテーション?カウンターニューテーション?なんだっけ?という人のために。
どちらがいいというよりもケースバイケースなんです。
急性腰痛ではカウンターにした方が良い時もあったし。
この記事わかりやすいです↓https://t.co/UDJfqh5Gh7 pic.twitter.com/L1HcZOa6D1
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) February 5, 2017
あくまでも一般的にはという話にしておきましょ。臨床では常にマニュアル通りにいかないものなので。
骨盤帯の触診が何よりも重要
ニューテーションとカウンターニューテーションを頭では理解できている、、でも正確に触診できない、、
これが多くの人が抱えている問題。
やはり骨盤にはたくさんの筋肉や靭帯が集合しているので、正確に触診できることが最初の一歩。
最低でも
- 腸骨
- 坐骨
- 恥骨
- 仙骨
は正確に触り分けられるようにしておきましょう。「骨盤」という地図を細かく触り分けることができないと前に進みません。
さらに骨の中でも臨床で使うポイントは
- 上前腸骨棘(ASIS)
- 上後腸骨棘(PSIS)
- 下外側角(ILA)
この3つのポイントは絶対に触れるように練習しましょう。
なぜならASISとPSISは寛骨の位置関係、ILAは仙骨の位置関係を把握するために必要な触診ポイントだからです。
骨盤周囲の大切な2つの靭帯
骨盤周りにはたくさんの靭帯がありますが、臨床上大切で主要な2つの靭帯だけ紹介。
- 仙結節靭帯:ニューテーションの制限。大腿二頭筋と連結
- 後仙腸靭帯:カウンターニューテーションの制限。多裂筋と連結
です。この靭帯によってニューテーションとカウンターニューテーションの制限になりやすい。加えて筋肉と連結があるので、仙結節靭帯は大腿二頭筋と連結するので、SLRが固い人はニューテーションも制限されやすくなります。この2つの靭帯を触診するためにも骨の触診が必須になりますね!
下外側角による骨盤内ねじれ評価について
これは骨盤で有名なダイアンリー先生の本にも載っています。仙骨のねじれから寛骨の回旋を評価していく方法です。方法はこちら↓↓
例:骨盤内ねじれ(左回旋)
1下外側角の位置関係を見てどちらが後方にあるか確認
2もし左側が後方にあれば左の骨盤内ねじれ
3つまり仙骨が左回旋、右寛骨前方回旋、左寛骨後方回旋臨床の触診では
ILA→左が後方にある
ASIS→右が低い、左が高い
PSIS→右が高い、左が低い
と感じるようになる。
臨床上で応用するためには症状と骨盤内ねじれに関係性があるかどうかを考えることです。
(例:腰痛でスクワットした時に骨盤内左ねじれが問題で痛み→ねじれを修正すると痛みが改善→痛みの原因はねじれだ!的な感じで)
し・か・し。
あくまでも骨のアライメントだけの評価だけなのでこれだけで何かを決めるのはちょっと早い。
ましてや個人差や骨の形態、左右差もあります。
大切なことは
「臨床症状と理学療法評価どれだけマッチするか丁寧に評価を重ねること」
です。
ニューテーションとカウンターニューテーションの反応を見る
結局これが大切です。
- 問題となる動作がある
- 評価をして骨盤が問題だと仮説立てる
- ニューテーション・カウンターニューテーションに動かす
- 反応を見る
- 良い方向へ誘導する。もしくは運動の制限となっている部位を改善する
「ニューテーションが良い・カウンターニューテーションが悪い」ではなく、どちらが良いか反応を見て評価するという基本的なところが大切。そもそも仙腸関節に問題があるかどうかの鑑別もしなくちゃですよ。
骨盤の評価を臨床で活かすには?
じゃあ実際に骨盤のアライメントをどのように臨床で活かすか?はこれです。
慣れないと難しく感じますが、毎回毎回練習しましょう。
総合的な骨盤のアライメント評価(動画)
僕の骨盤の見るポイントとしては
- 胸骨下角の角度と腹斜筋の緊張
- 肋骨の浮き上がり
- 横隔膜と呼吸
- コアコントロール
- 脊柱アウターマッスルのバランス評価
- 股関節周囲筋のマッスルバランス評価
- ASIS、PSIS、ILAの位置関係
- 矢状面、前額面、水平面上での骨盤アライメント評価
- 寛骨アライメントに影響する軟部組織を考える
- 仙骨アライメントに影響する軟部組織を考える
- 姿勢全体を確認
- 動きの中でどんな状態で問題が発生するか評価
といった感じです。ここら辺はそのうち吉田のLINE@でもお伝えしていきます。
いくつもの評価を組み合わせて整合性と客観性を高めていくようにしましょ!
骨盤を評価するのであれば絶対に→股関節の評価も忘れずに!!
まとめ
・骨盤の評価は複合的に考えよう!
・骨は細かく触診、筋肉の作用を考え、靭帯の作用がどうアライメントに影響を及ぼすか
・そのアライメントと症状がどれくらいリンクするのか
などなどを考えて臨床していきましょ〜!