シンスプリントのリハビリまとめ
シンスプリントはジュニア世代が抱えやすいスポーツ障害の一つ
- 走った後にスネの内側が痛くなる
- 痛くて長時間スポーツできない
- 運動時間が増えると足のスネが痛い
理学療法士がシンスプリントの症状〜マッサージ〜テーピング〜インソールまで全てをお伝えします
スポーツ障害に悩む子供が少しでも減れば( ´∀`)
ジュニア時代のスポーツ障害ってかなり減らせるはず
・シンスプリント
・オスグッド
・捻挫
・野球肘、肩
・腰椎分離症などなど
適切な運動量のコントロールとセルフケアと正しい体の知識が伝わればもっともっと減らせる
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年1月26日
シンスプリントの症状と原因
ちょうどスネの内側が痛くなるのがシンスプリントの症状
少し細かくいうと「ふくらはぎ下内側1/3〜中央1/3」になる
- ふくらはぎ下内側1/3〜中央1/3に痛みが生じる
- 運動をすると痛みが誘発される
- 押すと痛む
- 安静にすると痛みが和らぐ
- 踵上げをすると痛むことがある
- 両側に出やすい
といった症状がメイン。
基本的なシンスプリントの原因は
- 硬い地面での練習
- トレーニングのオーバーユース
- 靴が合わない
- 練習時間が急激に伸びた
- 関節の動きの制限
- 筋力、筋持久力の低下
- 足関節機能の低下
このような要素がシンスプリントを引き起こす原因になります。
シンスプリント?疲労骨折?コンパートメント症候群?
シンスプリントと似たような症状を引き起こす病態もいくつかあります。
特にシンスプリントと疲労骨折との見極めが難しい
- シンスプリントは広範囲な痛み(5cm以上)
- 疲労骨折は限局した痛み(2~3cm)
- コンパートメント症候群はそもそも痛む場所が異なる
といった分け方があるが実際はこの所見だけで判断するのは難しい
特に一般の方が「あっこれはシンスプリントだからリハビリして治そう!!」とするのは危険!
まずは医師の診断を受けて疲労骨折なのか?シンスプリントなのか?を判断してもらいましょう
レントゲンやCTでは明確にはなりませんが、MRIの画像診断を使うことによって診断が確実になります。
シンスプリントの重症度分類
いつ復帰できるかで重症度で判断した分類です。
参考にしてみてください。
スポーツ現場で簡単に判断できるのは
- 片足ジャンプの踏切だけが痛い→一般
- 片足ジャンプの踏切と着地どちらも痛い→重症
- 圧痛がスネの内側だけ→一般
- 圧痛がスネの内側と前側→重症
くらいですね。
もちろんこれだけでは判断材料としては足りませんが参考までに!
シンスプリントを起こしやすい人の特徴とスポーツ
- 女性>男性
- BMIが高い人ほど起こしやすい
- 股関節の可動域が大きい
- 足の内側縦アーチが低下している
- 母趾球に体重がかかりやすい
- 足が外側を向きやすい
- 走っている時に膝が内側に入りやすい
- 急な運動量の増加
- 硬い地面での練習が増えた
- Q-angleが15度以上(立っている時点で膝が内側に入っている)
このようなことが文献的に言われています
わかりやすいのは運動中や立っている時に膝が内側に入ってしまう人
このような特徴がある人はスネの内側にストレスが加わりやすくシンスプリントになる可能性があります。
また立っている時よりも歩いたり運動した時に足のアーチが保てずに母趾球に体重がかかりすぎてしまう人も問題。
シンスプリントって静的なアライメントで扁平足や内側縦アーチが低いことよりも、走っている時や運動している時にアーチが保てないことが問題になりやすい。
だから立っている時の足のアーチのあり・なしで決めるのではなく。
歩いている時の動きで判断する方が良い
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年1月30日
またシンスプリントを引き起こしやすいスポーツとしては
- 陸上競技
- バスケットボール
- バレーボール
- サッカー
などジャンプやストップ、急激なダッシュの多いスポーツがシンスプリントになりやすいです。
シンスプリントの原因になる筋肉
- 長趾屈筋
- 長母趾屈筋
- ヒラメ筋
- 後脛骨筋
スネの内側に付着する筋肉が引っ張るストレスによってシンスプリントの痛みが引き起こされます。
問題はこれらの筋肉が癒着して滑走性が悪くなること
治療としては4つの筋肉の滑走性を出して柔らかくすることが大切になります。
ストレッチだけでは不十分なことが多いです。組織をしっかりと剥がして滑走性を引き出すことがポイント(後ほど動画で説明しています)
加えてこれらの筋肉が機能するように足の指周りがしっかり動くようにトレーニングする必要があります。
シンスプリントの治療はマッサージだけではダメ
シンスプリントを根本から治すためにはやはり「運動を正しく行うこと」が大切になります。
もちろん安静にすれば痛みは引きます。筋肉を柔らかくして組織の癒着を剥がすことでも痛みは軽減します。
しかしそれだけでは根本的な運動のエラーを改善できないのでインソールや筋力トレーニングで足の機能を高めることが大切になります!
足部機能が低下を防ぐためには
・裸足で歩く
・砂浜を歩く
・足の指の曲げ伸ばしを頻繁に行う
・足でじゃんけんぽんできるようにする靴が足の機能を奪ってしまうこともある。
しっかりと足を使うように普段から意識しよう。 pic.twitter.com/G2xz2DTsB6
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年1月30日
シンスプリントのリハビリ
- インソール→接地の吸収を変えてストレスをかえる
- テーピング→足のアーチをサポート
- マッサージ→スネに癒着している組織をはがす
- 筋トレ→足の指とアーチを作るトレーニング
- 安静→急がない場合は安静
これが大切
試合前でどうしてもスポーツをしなくちゃいけない・・そんな時はテーピングやインソールで応急処置をする。
もし期間に余裕があるなら安静をとってリハビリをしっかりとやりましょう!
実際の僕の治療手順はこんな感じ↓
- インソールでサポートして痛みのない状態にする(実際ストレスを変えるだけでかなり痛みは変わります)
- 同時にスネに付着している筋肉をマッサージ→セルフケア指導
- 足指とアーチトレーニングはセルフケアで指導
- 急いでいる場合はテーピングも指導。そうでなければ安静からリハビリを進める
といった感じです。
より効率的に行うために、選手が自分自身でできる部分とプロが行う部分を明確に分けましょう。
シンスプリントの病態・マッサージ・テーピング・インソールまとめ動画
シンスプリントにおけるマッサージのポイントと簡単にできるテーピングとインソールの方法をまとめました
<シンスプリントのマッサージ>
- スネの内側の皮膚をつねるようにして組織の癒着を剥がしていく
- スネ全体の皮膚が柔らかくなるまで行う
- 皮膚をつまみながら足首を上・下に動かす
- ある程度痛みが出ることを理解しておく
- スネの内側全体に対して行うようにする
<シンスプリントのテーピング>
- 足の内側縦アーチを引き上げることがポイント
- 土踏まずからスネの内側にかけてやや引っ張りながら貼る
- キネシオテーピングが便利
- 複雑なテーピングはプロに任せる
<シンスプリントのインソール>
- カカトの内側〜内側縦アーチ部分を支えるように高さを足す
- 歩いてみて反応や動きを確かめる
- 歩いている最終にアーチやカカトが内側に潰れるかチェックする
- 痛みがなくなるようにインソールを調整していく
いずれも実際の治療で使うことがあります
一般の方が簡単にリスクなくできる方法でまとめましたのでぜひやってみてください!!
シンスプリントへのサポートグッズ
どうしても専門家にみてもらう時間がない。。。
という方は市販で売っているサポーターグッズでなんとか乗り切りましょう。最近のサポートグッズは専門家が監修していますし、実際に使用してみると良い感じなのがわかります。
スネの内側にサポーターをつけることによって接地した瞬間の牽引ストレスを和らげてくれます。テーピングがうまく巻けない人には簡単で便利なサポーターですね!
市販のインソールではやはりリアラインインソールがおすすめ。開発に携わっている先生が有名な理学療法士の先生です。機能的である程度カスタマイズできるのが特徴。
この2つがあると症状は変わると思います。
もちろん個別性があるので効果は保証できませんが簡単に購入することができるので、最初の一歩におすすめです。
シンスプリント治療のまとめ
- シンスプリントかな?って思ったらまずは病院で診断
- 原因が練習や練習量、筋力低下や関節の動きに問題があるか確認してみる
- 痛みが強い場合はまずは安静
- 試合や大会が近い場合はインソールやサポーターで対応
- 根本的に治すためには足の機能を良くして運動のエラーを変える
- 余裕があれば専門家に足を診てもらうこと
正しい知識と対処を知っていればシンスプリントの問題は解決できることが多いです。
スポーツ障害を減らして
スポーツに関わる時間を増やして
スポーツできる期間を長くする
これからも医療は進歩します
同時に正しく医療や医学を選ぶ必要もあります
あなたにあったシンスプリントの治療方法を探していきましょう!!
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