「松葉杖が怖くて外せない・・」
「医師から外してもいいって言われているけど外せない・・」
そんな経験ありませんか?
医師が松葉杖を外しても良いって判断をした場合、外す工夫をするのはセラピストの役目です。不必要に長い期間松葉杖をつくことはマイナス以外の何者でもありません。
どうしても書いておきたかったので書きます。
松葉杖を外す方法です。
必要のない松葉杖は外す。
必要のない装具も外す。もちろん外す許可は医師。
許可が出ても外せない理由を考えるのがセラピスト。そしてそれを解決するのもセラピストの役目。 pic.twitter.com/ZecYpU7Jvp
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月17日
上記のクライアントさんは当日の動画です。その場でうまく外してスムーズに歩くことができました。このように同じ松葉杖は外せない症状で悩んでいる人のために書きますね。
本当に松葉杖が必要な場合
- 炎症が残っている場合(患部が腫れている・熱を持っている)
- 医師の外して良いという許可が下りていない場合
これくらいです。
要は患部のストレスを軽減して炎症を抑えたいから松葉杖を使っているのです。
それがメリットであるならばデメリットもあります。
松葉杖を使うと
- 下肢の筋力が低下する
- 変な歩き方が身についてしまう
- 上半身自体にも歪みが生じる
- 正しい歩き方を忘れてしまう
というデメリット。
だから必要のない時期に適切に松葉杖を外すことはリハビリテーションにとって大切なのです。
松葉杖を外す4ステップ
ではどうやって松葉杖を外していけばいいのかをお伝えします。
1患部が動くことを体感させる
- 足関節なら足関節
- 膝関節なら膝関節
- 股関節なら股関節
このあたりの患部の関節が動くことを「体感」させることが大切。特に受動的ではなく能動的に。
つまり自ら動かして「あ!動いている。ちゃんと動くんだ!」と脳に染み込ませることが大事。
これを誰かに曲げてもらったり、動かしてもらうだけでは不十分。
あくまでも自分の体なので操縦席は自分の脳。しっかりと動かしましょう。
※痛みのない範囲で動かすこと。痛みがある場合はセラピストがしっかりと取り除くorストレスを変えてあげることが大切!
※セラピストはこちらを参考に↓
<松葉杖を外すためのステップ1 セラピスト用>
「関節を動かす」
1自動運動で痛みのない範囲で動かしてもらう
2その最大範囲の近くで収縮と弛緩を繰り返す
3徐々に可動域を広げていく
4もし広がらないのであれば可動域制限を評価してみる
5最終的に広がった角度を患者自身に実感してもらう— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月17日
2患部に力を入れる
関節が動かせるようになっただけではまだまだ。今度は下半身に力が入るかどうかをチェックしていく。
ポイントは
- 関節が動く最大範囲で動かせること
- 関節を動かすスピードを少しずつ早めてあげる(最初はゆっくりでOK。徐々にスピードをあげて行う)
です。
関節を痛みなく・大きく・素早く動かせるようになればGood!
最初はみんな怖いのでゆっくり・小さくしか動けません。その状態を改善してあげないといけない。
ほとんどの場合は痛みor恐怖感が原因。どちらも取り除けることが多いです。
脳に覚えこませること。「あ!力入れても大丈夫なんだ!早く動かしても大丈夫なんだ!」と
※セラピストはこちらを参考に↓
<松葉杖を外すためのステップ2 セラピスト用>
「患部に力を入れる」
1痛みのない範囲で等尺性・等張性収縮を入れる
2相反抑制・Hold&Relaxを使いながら可動域を増やしていく
3自動で動く可動範囲を広げる
4収縮のスピードを少しずつ早める— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月17日
3立位を整える
さてここからが難しい。
寝ている時には関節も動くし力も入るけど、いざ歩こうとすると怖い・・うまく歩けない・・って人はたくさんいます。
でも大丈夫。歩く準備をちゃんとすれば歩けます。
立位を整える5ステップ↓
- 左右の足へ体重移動(股関節で体重を支えるイメージ)
- 左右均等に体重を乗せたまま腕を振る(肩甲骨から腕を振るイメージ)
- 左右均等に体重を乗せたまま体をねじる
- つま先をつけたまま足踏みをする
- 椅子の立ち座りを左右均等に体重かけたまま行う
動画です↓
これを5分〜10分くらいかけて行いましょう。
だんだんと脳が体重をかけることと関節を動かすことに慣れていきます。
※セラピストはこちらを参考に↓
<松葉杖を外すためのステップ3−1 セラピスト用>
「立位を整える」
1内果の真下に体重をかける
2左右のウェイトシフト(HAT戦略にならないようにhipで荷重させる)
3つま先をつけたまま足踏み(膝の滑らかな屈曲を促す)
4股関節スクワットをさせる(椅子の立ち座り)— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月17日
<松葉杖を外すためのステップ3−2 セラピスト用>
「立位を整える」
1胸椎の回旋を促す
2肩甲骨〜肩関節の伸展方向の動きを促す
3大腰筋を伸ばす(Th12を意識して)
4結果的に下肢の伸張反射を促通することになるだから歩行前の上半身の調整はものすごく大切
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月17日
4歩く
では実際に歩いてみましょう。
- 両方松葉杖で歩く
- 片方松葉杖で歩く
- 何もなしで歩く
この順序で歩いてみて、歩き方がおかしくなった場合は先ほどの「立位を整える運動」を行いましょう。
多くの人が歩いている時に関節を固めたような硬い歩き方になります。
それを解きほぐすために立位を整える運動をこまめに実践して歩き方を覚えていきましょう!
※セラピストはこちらを参考に↓
<松葉杖を外すためのステップ4 セラピスト用>
「歩く」
1松葉杖の歩行分析
2stiffになる立脚期を探す(遊脚期は無視)
3なぜそうなるか考察して立位でのトレーニングを行い歩行に反映させる。ここで戻って寝かしてはダメ。なるべく獲得したい動作に近い状態でトレーニングさせるのは大事— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月17日
松葉杖を外すまとめ
松葉杖をスムーズに外すためには上記に示した4ステップをしっかり踏んで自主トレーニングをやってみましょう。
松葉杖をスムーズに外すこと。それは良いリハビリテーションを作るための一歩。
患者もセラピストも努力する必要があります。
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不必要に松葉杖をついたり装具をつけたりすることは「マイナス」になります。
杖と装具を適切な時期に的確に外すことがリハビリテーションをスムーズにします。
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月17日