いまさら聞けない解剖学の町田先生のお話を聞かせていただきましたので股関節の外旋筋機能についてまとめてみます!
坐骨神経痛の痛みの原因は梨状筋だけじゃないぜってお話♪解剖だけじゃなく臨床に繋げるヒントもお伝えしておきます!
深層外旋六筋とは
- 梨状筋
- 内閉鎖筋
- 上双子筋
- 下双子筋
- 大腿方形筋
- 外閉鎖筋
この6つがあります。いわゆる股関節の深層にあり、骨頭を安定させるのでインナーマッスルとして働きますね!
肩でいうところのローテーターカフです
でもこの外旋筋群の大きさや機能を細かく理解している人は少ないはず・・というわけで機能解剖を理解していきましょ!
股関節外旋筋の作用
簡単にまとめてみましょ。教科書の肢位による作用は全て「股関節の外旋」なのだが、股関節の屈曲や伸展によって若干作用が異なる。ベースとなるため理解しておきましょう。
梨状筋
股関節の位置関係によって作用が転換する。股関節90度屈曲位では内旋に作用し、股関節伸展位で外旋に作用する。
内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋
股関節伸展位で外旋作用。屈曲位では外旋作用が弱まる。
外閉鎖筋
股関節屈曲位になると外旋作用が強くなる。
大腿方形筋
股関節の角度に関わらず外旋作用を発揮する。
つまり股関節の屈曲・伸展によって外旋筋の作用が変化するってことです!
外旋筋群で最も大きいのは梨状筋じゃない
股関節の外旋筋=梨状筋と考えがち。確かに学校で習ったし、坐骨神経痛にも関与するってどの本にも書いてあるし。。
実は外旋筋の中で一番大きい筋肉は梨状筋ではないのです。。えっ♪(´ε` )
そうです。
内閉鎖筋なのです。
そうそう、内閉鎖孔の部分にべったりくっついているのが内閉鎖筋なのです。確かにでかい!!
この辺りには陰部神経や動脈があり泌尿器系の問題にも関与する部分です!
<深層外旋六筋肉の湿重量比>
内閉鎖筋 | 30g |
外閉鎖筋 | 27g |
梨状筋 | 25g |
内閉鎖筋の構造
この内閉鎖筋は上・下双子筋のあわせて1つの筋肉のような機能をするみたいなんですよ。。
・内閉鎖筋と上・下双子筋は共通原基からそれぞれ分化した(Bardeen 1996)
・3筋はそれぞれ独立した筋であるといううよりは、停止を同じくする一つの三頭筋と考える方が適当である(Shinohara 1995)
ほほう・・ということはこの3筋は連結していると考え方が良さそうですね!!
坐骨神経の圧迫は内閉鎖筋の影響?
ではでは有名な坐骨神経の圧迫を考えてみましょう。
基本的には坐骨神経の上に梨状筋、下に内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋があります。
つまり上から梨状筋の圧迫、下から3つの筋肉の押しあげのストレスを受けるということ。
梨状筋だけの圧迫ではないということを知っておきましょ^ – ^
梨状筋の筋連結パターン
実は梨状筋も様々な個体差があり、他の筋肉と連結する可能性があるということを知っておきましょ!
- 梨状筋単独のパターン54%
- 上双子筋と内閉鎖筋と癒合29%
- 内閉鎖筋と中臀筋と癒合13%
- 中臀筋と癒合4%
という割合。つまり単独の梨状筋が半分で、後の半分はどこかの筋肉と癒合しているということになります。
臨床における深層外旋六筋のポイント
ではではこれらの機能解剖を踏まえてどんなふうに臨床に活かせば良いのでしょうか?^ – ^
これが最も大切ですね!!様々なパターンがあるので考えてみましょう!
外旋筋が硬くなると
股関節の外旋筋が硬くなるということは大腿骨の後方が硬くなるということ。
つまり大腿骨が前方に押し出され、後方への滑り込みが低下する。ということはもちろん可動域制限にも繋がるし、大腿骨と臼蓋の関係性にも影響し痛みを発生させるかもしれない。
その時の鑑別として外旋筋の鑑別や作用を把握しておくことが重要!
外旋筋が弱くなると
これはhipのOAや術後に多いですね。
股関節のインナーマッスルが低下するので大腿骨頭が不安定になります。外旋筋を鍛えてあげることで修正をかけて行きますが、これも機能解剖を知っていればどの位置関係で最も収縮するかがわかるようになりますね!
これはもう文献でもありますね!外旋筋を鍛えると股関節の安定性が増す!
アライメントも踏まえて
股関節が複雑なのは、腰椎、骨盤、大腿骨(前捻角、頚体角)と関係するから。
単純に筋肉が硬い、弱いだけでなく、姿勢や骨のアライメントをしっかりと評価することがとても大事!!
まとめ
股関節の機能を考えるときには深層と表層の関係を考え、動いた時の筋肉の作用をしっかりと考えることが大切になります!さすが町田先生!!最高にわかりやすい解剖学でした!
いまさら聞けない解剖学・・オススメです٩( ‘ω’ )و