リハビリの運動療法を効果的に使う8つのポイント!理学療法士が考えるトレーニングのイロハ!

さて運動療法を選択する時に何を考えていますか?

 

「はいじゃあ足をグッと蹴っ飛ばして!!」

 

なんてキッキングを適当に10回やっていませんか?

 

それは運動療法ではなく。ただの体操レベルです。

 

運動療法は理学療法士の大きな武器です。

 

その理由は解剖学と生理学と脳と動作分析を兼ね備えているから。

 

吉田もかなり多くの運動療法を用いて施術と組み合わせます。

 

「運動療法を武器に!」そのレベルまで引き上げるためのヒントをお伝えします。

目次

運動療法の選択の時に何を考える??

  • トレーニング姿勢(背臥位、側臥位、端座位、腹臥位、立位)
  • 筋肉の収縮形態(遠心性、求心性、静止性)
  • 回数や負荷
  • 難易度
  • バリエーション
  • 効果判定
  • トレーニングの組み立て方
  • キューイング
  • 呼吸

 

このあたりの要素を全部含めた運動療法を考えましょう。

プロです。レベルの高い運動療法を提供しましょう。

そうすれば必ず人の動きは変わります。

運動療法の時のトレーニング姿勢

  • 背臥位
  • 側臥位
  • 四つ這い
  • 腹臥位
  • 立位

などがありますね。

では質問。

 

なぜその運動療法の姿勢をとったのでしょうか?

 

そこには明確な理由が必要です。

 

ただなんとなく背臥位にしていませんか?それではだめ。説明ができないと根拠のない運動療法になっちゃいますよ。

 

ではその1つ1つの姿勢を考えてみましょう。

 

背臥位

一番支持基底面が大きく、人が安定する姿勢。重力もほとんどかからないので、運動療法としては簡単な姿勢ポジション。急性期や負荷に耐えられない人はまずこの姿勢から運動療法開始。

側臥位

実はこのポジションの維持は難しい。何故ならば支持基底面が狭くなり、体幹が倒れないように固定する力が必要だから。側臥位トレーニングは代償も起こりやすい。ほとんどの外転筋トレーニングは代償で終わってしまうことが多い。(特に高齢者や体幹の制御が効かない人)

四つ這い

めちゃくちゃオススメの姿勢です。手足をついて痛くなければ積極的に取りたい姿勢。理由は発生学的に優位な点と中枢部が働きやすくなるため。上腕骨が肩甲骨・大腿骨が骨盤に垂直圧をかけるので安定します。この状態から動きを作るとバックマッスルも働きやすく抗重力筋を刺激するのに適しています。さらに良い感じで重力が全身に負荷をかけてくれます。

腹臥位

これも積極的にとりたい姿勢。腹臥位になることで屈曲位になっていた姿勢が伸ばされます。この状態から手足の運動を行うことで四つ這いと同様に抗重力筋を鍛えることができます。ただし。腰椎の代償には要注意。

立位

重力がかかる姿勢。下肢疾患に関しては立位エクササイズを多めにしたい。何故なら下半身は体を支える役目だから。ぷレーシングでずっとキープするような役割よりも、支える能力が求められるからです。

 

運動療法時の筋肉の収縮形態

  • 求心性収縮:起始停止が近く
  • 遠心性収縮:起始停止が遠くなる
  • 静止性収縮:起始停止が変わらない

大きくこの3つで考えてみよう。

 

ポイントとなるのは遠心性収縮をしっかりと入れること!!

 

遠心性収縮は

  • 筋肉がストレッチされながら伸びるので可動域が広がる
  • かかる負担は大きくなるのでトレーニングにも最適

特に「動作」は求心性収縮と遠心性収縮のバランスが大切。力を入れやすい求心性ばかりを行うのはもったいない。

 

しっかりと運動療法の中に遠心性収縮を取り入れて動きを広げて筋肉に負荷をかけてあげよう。

運動療法の回数と負荷量設定

これは目的によって変わります。筋肥大させたいのか、最大筋力をあげたいのか、持久力をあげたいのか。

 

※レペティション・マキシマム(RM)=最大挙上量のこと。1回だけあげられる重量を1RMと呼ぶ。

 

しっかりと効果を高めるためには負荷が必須。でも高齢者だから1RM計れない・・

 

そんな人にはRPE(自覚的運動強度)をオススメする。RPE6〜12が妥当と言われている強度なので参考にしてみては。

 

引用:日本健康運動研究所

 

また高齢者に関しては1RMの80%と40〜50%で行った結果では差がなかったと言われている。なので、高齢者に関しては「ちょいきついな〜」くらいの負荷をかけてあげればOK!

 

さらに詳しく知りたい人はこちら↓↓

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運動療法の難易度とバリエーション

運動療法の難易度を変化させるためには

  • 支持基底面
  • レバーアーム
  • 課題数

の3つをメインに変化させましょう。

 

  • 運動が簡単になる:基底面が広い・レバーアーム短い・課題数が少ない
  • 運動が難しくなる:基底面が狭い・レバーアームが長い・課題数が多い

と覚えておきましょう。

 

さらに

  • 回数
  • 運動速度
  • 可動範囲
  • 収縮方法

などを加えればもっといろんな運動療法のバリエーションが生まれます。

運動療法の効果判定

これは主観的にも客観的にも大切。(中枢神経系的にも)

 

「動きが変わっている」ということを実感してもらうこと。

 

患者さんには動いて実感してもらう。セラピストは動画や写真でしっかりと動きを録画しておくことが大切。録画したものを一緒に共有することでさらに変化を感じてもらうことができる。

 

運動療法して、はいおしまい!ではだめ。しっかりとその運動療法で何が変わったかを実感してもらうこと。質の高い運動療法は長期的な部分だけでなく、即時的に動きを変えることができる。しっかりと変化をチェックしよう。

 

運動療法のトレーニングの組み立て方

原則はこれ!

  • アップとしてのトレーニング
  • 効果が複数現れやすいトレーニング
  • 中心部分をしっかりと動かすトレーニング
  • 大きな筋肉から動かすトレーニング
  • 負荷を徐々に高めていく

 

このあたりをしっかりと頭に入れてトレーニングを組み立ててみましょう!

 

例えば変形性膝関節症の運動療法を考えるときに、まずどんな運動療法を考えますか?patella settingからやりますか??

 

吉田の答えはNOです。

 

  1. まずはアップ!全身の伸び縮みをさせるようなエクササイズ
  2. 次に脊柱〜骨盤〜肩甲骨を動かすエクササイズ
  3. 最後に大腿四頭筋のエクササイズを連携させる
  4. 痛みのない範囲で立位トレーニングへ

 

こんな感じです。アップ・中心から・複数の効果を狙って・徐々に負荷を高めて!

もちろん運動療法の最中には動作分析をして代償動作を見逃さない。

代償動作が出たら運動療法の強度を即座に落として最適化する。これめっちゃ大切です。

 

運動療法時の呼吸

呼吸をおろそかにしてしまう人が多いです。

運動療法で「呼吸」を使いこなせると脊柱の誘導に非常に効果的。

 

基本的には

  • 脊柱の伸展時に吸気を利用
  • 脊柱の屈曲時に呼気を利用

するのがベース。さらに応用するために

  • 胸椎伸展時に胸の前側に空気を入れる
  • 脊柱屈曲時に固い脊柱の部分に空気を入れる
  • 脊柱側屈時に固い肋骨部分に空気を入れる

 

呼吸で固い部分を意識をさせることと呼吸による胸郭の拡張を促す意味があります。

 

運動療法時の「キューイング」

  • 短い言葉
  • 相手が共通言語として理解できる
  • 右脳に働きかけるような比喩表現
  • 明確な指示

これが大切。

「はい腕あげて〜、足を回して〜」は下手なキューイング。

 

  • 壁に向かって時計の針のようにまっすぐ腕をあげて
  • りんごくらいの円を書くように足を回して

 

というキューイングがあると人は動きやすくなります。

 

ぜひ取り入れてみてください!

 

運動療法のまとめ

の元で「運動療法セミナー」を実施しました↑↑


ここまでつらつらと書いてきました。

要は。もっと運動療法の質を高めて行きましょうよってこと。

理由は運動療法はコピーできて、拡散しやすいから。

誰がやっても同じ効果を提供できるから。

 

だからこそ質をグッとあげておけば、自主トレの動画はyoutubeにして渡せるのです。

 

それって便利でしょ?患者さんが自分自身で体の管理できるようになるでしょ?

 

徒手療法だけだとあなたに依存する関係性が終わらないから。

 

患者さんに自立を促すためにも。

 

運動療法を武器に!!

 

→→運動療法の質と種類をグーンとあげたい人はこちらへ

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