理学療法士の「問診」は聞くだけでは効果なし!問診を評価にするための3つのポイント

問診がなぜ理学療法の授業にないのか?
これは深刻な問題。「問診」という非常にシンプルで重要な理学療法評価。
学校の授業になく臨床に出てから成り行きに任せて覚えていく…

どれだけ「問診」という評価が大切か…もし私が1番重要な評価は何か?そう聞かれたら間違いなく「問診」と答えます。

優秀な医師や理学療法士ほど問診に時間をかけます。30~40分ほど問診をすることもあります。

患者さんの話を聞いて推論を立てることが大切になります。

しかしただ「聞く」だけでは意味がありません。

問診に必要な3つのポイントとは?

目次

まずは動画で問診を学ぶ!!

ちょっと長めの動画ですが、どうぞ!

本当に問診はよ〜く考えて実践してください。まずはラポール気づくことから。そのためにはNLPも存分に使います!

ミラーリング・マッチング・ペーシングを使って相手との信頼関係を築くことが大切!

問診にはまず基本的な「5W1H」

5W1Hという問診の聞き方が有名ですね。

  • Who 誰が
  • What 何を
  • When いつ
  • Where どこで
  • Why なぜ
  • How どのように

その膨大な情報の中から必要なキーワードを見つけ出すのです。

特に「いつ・どのように?」は重要

例えば腰痛を例に挙げてみましょう。

いつ?からわかること
→急性期か慢性期か
→過去の問題なのか(さらに過去のいつの時代からか?)
→何かその前後に変化があったのか?(環境や運動など)
→過去から現在の状態をつなぎ合わせる

どのように?
→何が原因で
→どのようなストレスが加わって
→どれくらいの強度のストレスか
→どのような姿勢・運動か

などなど
いつ・どのようには3段階深く切り込んで問診しましょう。

2軸臨床推論

スクリーンショット 2016-08-31 10.15.48

これは完全に造語なので文字は気にしないでください笑

私が問診中に頭の中で2つ軸を考えて問診をしているためです。

縦軸は「抽象度」

物事の捉え方です。本来であれば抽象度は「高い・低い」で表しますが、わかりやすく視野が「広い」・「狭い」と書いてあります。

例を挙げると肩関節の拘縮。
抽象度が高い→人間の体の中の肩が固いという現象
抽象度が低い→肩甲上腕関節の内旋ROM低下(いわゆるPTの得意な部分)

大切なことは抽象度を高くしたり、低くしたり(視野を広く・狭く)を繰り返して現象を捉えるということです。一番問題になりやすいのは抽象度が低く、視野が狭くなってしまうPTが多いこと。

特に機能解剖が得意で深い知識を持っている人こそ、こうなりやすい。そうなると「人」という捉え方が下手くそになってしまう。

だから抽象度は高い・低いを自由に行き来しながら問診をする。

抽象を深く勉強したい人に超オススメの本↓
(物事の捉え方がめちゃくちゃ変わります。)


具体と抽象 ―世界が変わって見える知性のしくみ

横軸は「時間軸」

当たり前ですが、過去・現在・未来をつなげて考えて問診することです。過去の既往歴を聞くだけでは不十分。
過去にどんな生活や運動や環境変化があったのか?

見落としやすいのは「未来」を決めること・見据えること。長期的ゴールの設定をしっかりと定めるのです。これが決まらないと現在のリハビリ内容は決まりません。

例を挙げて「変形性膝関節症」過去に農作業をして徐々に膝が痛くなってきた80歳としよう。

寿命やライフスタイルなどのADLに加えて、膝の将来を考える。

・将来的に保存療法でも5年が限界。
・将来的には手術が必要
・運動量は徐々に落ちている
などの情報があって将来を見据えて現在のリハビリに生かす。
これを過去〜現在〜未来でつなげて、未来から逆算して今日何するか?決める。

問診しながら「理学療法」の適応か考える

自分の適応かどうかを判断する必要があります。
極論、骨折をしている人をリハビリでは何もできない。病院に行って医師に手術してもらうのが適切。

これは簡単です。つまり器質的な問題は医師の範囲。機能的な問題は理学療法の範囲。

では「第5中足骨付近が痛いと訴えているスポーツ選手の判断はどうするか?」骨折を疑うのか・ただのメカニカルストレスとして捉えるのか?

「強い痛みを伴う腰痛がもしガンの骨転移だったら?」リハビリの適応ではない。ではその判断をちゃんとできるのか?

そのようなサインをしっかりと見逃さないためにも「問診」が大切です。

まとめると
「自分ができること・できないこと」をしっかりと把握することが大切。

全てを治せる神の手やゴッドハンドなんて絶対にいない。そんな人がいたら日本中を救える。

ゴッドハンドは自分が「できないこと」を知らないだけです。

まとめ

スクリーンショット 2016-08-31 10.15.45

こんな感じです。

とりあえずここまで。

実は問診の時点で「どの評価・治療を使用するか」は9割決まります。

長くなってしまうので、また今度お話ししますね。

→上肢・下肢の臨床についての詳しいお話はこちらから

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