足関節捻挫後はRICE処置!アイシングだー!
なんて迷わず冷やしていませんか?
実はこのアイシングに対しての考えは近年変わって来ています。
しっかりと最新の情報を受け取ってください。
今回は「アイシング」についてです。
<アイシングはするべきかどうか>
一般的な足関節捻挫の急性期処置としてはRICE処置が取り上げられてきました。
しかし長時間のアイシングは海外ではあまり行われません。
アイシングで自律神経は循環を抑えるように反応するため患部の局所は虚血状態になります。
虚血状態は通常よりも疼痛発生物質を溜めやすく、局所は酸素不足・栄養不足になります。
実はアイシングのエビデンスとしてはゲートコントロール理論による痛みの軽減する効果以外はありません。
しかもこの研究も今から30年以上前にわかったことです。
更に、アイシングを開発した人が2014年になってRICE処置は選手の回復を遅らせるかもしれない…
と提唱しているのです。驚きですね。
単純に考えてみると炎症反応とは組織が回復するのに必須なものであり炎症反応を阻害してはいけないのでは?
最近の文献やデータではアイシングに対してネガティヴな意見が多いです。
確かに私自身もアイシングを行わずに軽い運動をさせた患者さんの方が腫脹の改善が良いと肌で感じているところです。
重症度を判断し、疼痛が激しければ一時的(20分程度)アイシングその後軽い運動を行う方が正しい治癒過程に促されることが分かっています。
<アイシングがダメージを与える組織>
1神経へのダメージ
30分以上のアイシングでは神経麻痺を起こすケースもある
2靭帯へのダメージ
靭帯は通常血液供給が乏しいため、アイシングを行い血流を阻害することによって靭帯の強度が低下する。
3筋組織へのダメージ
マクロファージが筋膜と筋組織の回復を助けるが、これもアイシングによって阻害される
4リンパ液の排出の阻害
筋のポンプ作用がアイシングによって阻害されるのでリンパの流れも悪くなってしまう。
5パフォーマンスの低下
20分以上のアイシングではスピード・持久力・コーディネーション能力が低下する
実はアイシングは組織にダメージを加えることもあるということを
頭にいれておいてください。
<足関節捻挫の急性期はどの程度動かした方が良いか>
RICE処置の restは「安静」です。
ではどの程度を安静にすればよいか。
全く足をつかずに動かさない状態がよいのか
程度によりますが「痛みの内範囲で動かす」これが重要です。
日常生活動作を行うことで筋ポンプ作用や軟部織でのスポンジ効果により循環改善を
行なうことが足関節の機能低下を予防します。
今回は足関節捻挫に対しての急性期リハビリテーション。
アイシングをするべきかどうかという部分についてお話しました。
10年後にはまたアイシングに対する意識が変化しているかもしれませんので
常に最新の情報を取り入れましょう。