- 姿勢の評価がわからない・・
- 姿勢をどうやって臨床に生かしていいかわからない・・
- 姿勢をみただけで分析ができるようになりたい・・
そんな方におススメの記事です。
スポーツ現場やオンラインで評価・治療をしてきた吉田の姿勢評価方法を詰め込んでお伝えします。
<姿勢評価のまとめ>
- 姿勢の分類を3つに分ける(kyphosis-lordosis、flat back、sway back)
- 重心線を評価(ズレている箇所を確認)
- 脊柱の弯曲と骨盤の傾きを触診で評価
- 正しい姿勢に他動的に誘導してみる
- その時の反応を評価→さらに細かい評価or治療対象を特定する
- ムーブメントも加えて動的な評価も行う
です!
姿勢を大きく3つに分類する
- Kyphosis-lordosis(頚椎・腰椎の過剰な前弯)
- Flat back(脊柱がまっすぐ)
- Sway back(頭部が前方、胸郭が後方)
に分ける。大まかでOK。
まずは姿勢を大まかに3つに分けてマッスルバランスを予測
Kyphosis-lordosisの特徴
- 頚椎と腰椎の前弯が過剰、骨盤前傾
- 短縮しやすい筋肉:頚部伸展群、大胸筋、脊柱起立筋、腸腰筋 など
- 弱化しやすい筋肉:頚部屈筋、僧帽筋下部、菱形筋、腹筋群、大臀筋 など
Flat backの特徴
- 頭部がやや前方、胸椎下部〜腰椎が平坦、骨盤後傾
- 短縮しやすい筋肉:腹筋群、ハムストリグス
- 弱化しやすい筋肉:頚部伸展筋、腸腰筋、脊柱起立筋
Sway backの特徴
- 頭部前方、胸椎過剰な後弯、腰椎の前弯減少、骨盤後傾気味(いわゆる猫背姿勢)
- 短縮しやすい筋肉:大胸筋、腹筋群、ハムストリグス
- 弱化しやすい筋肉:頚部屈筋群、僧帽筋下部、腹筋群、腸腰筋、脊柱起立筋
重心線を引いて考えてみよう
引用:基礎運動学
学校でならった重心線を引いてみよう。
- 耳垂ー肩峰ー大転子ー膝関節前部ー外果前方(矢状面上)
- 後頭隆起ー椎骨棘突起ー殿裂ー両膝中心ー両内果間の中心(前額面上)
これが一直線になっているかどうかをチェック。シンプルだけどとても重要。
一直線上は「足部」から引いてみることがポイント。
直線上からズレている箇所にストレスが加わっている可能性が高い。もしくはその上下関節にストレスが加わる。
姿勢からメカニカルストレスを考えてみる
例えばこのようなSway back 姿勢の方。主訴としては股関節の痛み
骨盤が前方並進・胸郭後方・ヘッドフォワードの状態。
股関節の痛みと姿勢をからめるのであれば。
- 大腿骨頭と臼蓋の関係性→骨頭の被覆が浅い
- メカニカルストレスが股関節前面に加わっている
- 股関節後方組織がタイト
などが示唆できる。
脊柱の弯曲と骨盤の傾きを触診で評価しよう
脊柱と骨盤のアライメントに関しては視診だけではなく触診をしっかりしよう!
基本的には脊柱はS字カーブが正常
- 「頚椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯」が正常な弯曲かどうか
- 前額面上で側弯があるかどうか
これを脊柱の棘突起を触りながら確認。同時に脊柱起立筋の緊張も評価しよう。
次に骨盤の評価。
ASISとPSISの傾きを評価(通常はPSISがASISよりも指1~2押し上にある)
PSISを触り間違えてしまう人が多いので注意。
骨盤の前傾と後傾は視診ではなく確実に触診で評価しよう。
可能であれば
- 恥骨結合の上下偏位
- 尾骨の左右偏位
- 寛骨の水平面上の左右差(内旋・外旋)
も評価するとより深い評価になる
・参考記事→骨盤のニューテーション・カウンターニューテーションについて
・参考記事→グローインペインの評価
正しい姿勢に戻した時の代償動作を評価
次に他動的に正しい姿勢に戻してみよう。その時の代償動作を評価する。
例えばSway backで骨盤が前方変位・後傾、胸郭後方、頭部前方にある姿勢を正そうとすると
- 骨盤前方・後傾位→骨盤後方・骨盤前傾
- 胸郭後方→胸郭を骨盤の上に
- 頭部前方→頭部を胸郭の上に
これを他動的に誘導。
しかしうまく誘導できない、代償が出てしまう部位が出てくる。
例えば「骨盤後傾→骨盤前傾が誘導できない」という現象は
- 腸腰筋の筋力低下
- 大臀筋のタイトネス
- ハムストリングスのタイトネス
などが考えられる、
つまりこれだけで筋肉のバランスが示唆され評価項目が広がるのだ。
静的姿勢評価にムーブメントを加える
姿勢評価は大切。でもそれだけでは「予測」になってしまう。
静的な姿勢評価にムーブメントを加えて動きを分析しよう
例えば
- 体幹の屈曲
- 体幹の伸展
- 体幹の側屈
- 体幹の回旋
など。
動くことで運動パターン・硬い・弱い筋肉などを示してくれる。
例えば立位から前屈した時の評価の一例。
前屈した時に
- 脊柱の弯曲(どこがフラット?どこが過剰?)
- 骨盤と大腿骨のリズムがどうか(大腿骨盤リズム)
- 大転子の位置が前後に移動するか(ハムストリングスのタイトネス)
などを評価すると、静的な立位姿勢に加えて動的な評価も加わり、より客観的になる。
姿勢評価から分析までの一連の流れを動画で説明
特別にオフラインで行ったセミナーの動画をドンと( ´∀`)
これで姿勢評価の流れがわかるはず^ – ^
あくまでも自分の見方なのでオリジナルでどんどん開発していってくださいね〜!
姿勢評価のまとめ
- 姿勢の分類を3つに分ける(kyphosis-lordosis、flat back、sway back)
- 重心線を評価(ズレている箇所を確認)
- 脊柱の弯曲と骨盤の傾きを触診で評価
- 正しい姿勢に他動的に誘導してみる
- その時の反応を評価→さらに細かい評価or治療対象を特定する
- ムーブメントを加えて動的な評価も加える
以上です。
人によってさまざまな姿勢を示すのでたくさんの人の姿勢を評価することが勉強になる。
レッツ姿勢評価^ – ^
ただあくまで「姿勢」は評価の1つのツール。しかも静的な状態。それだけで全てわかるわけではない。
動きを評価することや1つ1つの評価も大切なので忘れないで欲しい!!
一つの先入観としてセラピストが姿勢を見た瞬間にフィルターが「解剖学、運動学」になりやすい。でも姿勢を構成するのはそれだけじゃない。
たまたま落ち込んでいるかもしれない
たまたま重心を左に寄せているだけかもしれない
たまたまの姿勢かもしれない
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年11月5日
ではでは!