スポーツ選手用の問診の方法がある。その方法を伝えるよ!
問診内容自体は普通だけど。その内容からどれだけ思考を深めて選手のことを考えられるかどうかが大切。
どんなスポーツをしているのか?どうすれば勝ちなのか?
いわゆる競技特性。じゃあ競技特性のバイオメカニクスだけ知っていれば良いかというとそれだけでは不十分。
サッカー、バスケットボール、ラグビー、野球、格闘技、水泳などなど。スポーツにはスポーツの条件があり、ルールがある。
共通していることは勝負に「勝つ」こと。どうしたら勝ちなのか?
選手は「勝つ」ために練習して怪我をしても復帰しようとする。
どうやったら勝つスポーツなのか?という理解が重要。
例えばサッカーを例にとってみよう。
答えは相手よりも1点でも多く取ればいい。これにはいろんな考え方ができる。オフェンスを強くして点をとる戦略もディフェンスを強くして点を取らせない戦略もある。
じゃあその選手はチームの中でどんなポジションでどんな動きやプレーを要求さているのか?そこから選手の動作分析や評価をしてどうすればチームに必要になり「勝ち」につながるのか?
個人でも同じだ。
つまり広い視野で「スポーツ」「選手」「怪我」を捉えてあげること。
チームスポーツではどんなポジションなのか?
チームスポーツにはポジションがある。(個人競技は別)野球であればファーストなのかセカンドなのか外野なのか。サッカーであればフォワードなのかゴールキーパーなのか。バレー、バスケットボール、ラグビーなども同じ。
ポジションによって求められる能力が変わる。だからリハビリ内容もトレーニング内容も変わる。
チームスポーツではどのポジションでプレーをしているかは大切。個人競技であれば競技特性をしっかりと把握して評価やトレーニングに落とし込もう。
どんなスポーツ選手になりたいのか?
これを聞くと選手の「体と脳のボディイメージとのギャップ」がわかる。
例えばサッカーで例えるなら「メッシ選手」になりたいと「本田圭佑選手」になりたい!では求めている選手像が違う。
「こんなスポーツ選手みたいなプレーヤ動きが良い!」っていうのは脳のイメージ。ほとんどの場合、体とのギャップはあまり理解できていない。だからそのギャップを分析して埋めてあげることが大切。
よくあるのは野球の「肘上げろ」はまさにこれ。脳では理解できているけど、体で再現できない。それは土台ができていないから。
有名スポーツ選手の動作を真似てはいけない理由。
これはトレーニングだけでなく、打ち方や蹴り方や動き方をまるパクりするのもおすすめしない。
理由はシンプル。
土台が違いすぎる。筋力や柔軟性、技術力もメンタルも桁違いの土台の差があるから。
自分の土台にあったものを探すべし
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年8月7日
どんな怪我をしてきたのか?
スポーツ選手のクセや動きの歴史が既往歴でわかる。
- シンスプリント
- グローインペイン
- オスグッド
などの既往歴があれば「あ〜膝関節中心に動いてきた選手だな〜」みたいな予測ができる。
スポーツの慢性的な痛みに関してはほとんどが体の使い方のエラーが問題。だからスポーツの慢性的な痛みを繰り返している人は確実に体の使い方を変えなければ一生ケガと付き合うことになる。
選手のケガから選手のカラダの歴史を探ろう。
いつまでにどうなりたいのか?
ゴールから逆算して戦略を立てよう。
「12月の大会までにスタメンで復帰したい」
といったHOPEがあるならそれまでに逆算して今何やるか?この1週間何やるか?1ヶ月後までにはどのレベルまで回復している必要があるのか?など。
全て逆算。
スポーツ選手にはタイムリミットがある。大会や試合までの。引退までのリミット。だから最短で最速で復帰させるルートを試行錯誤しないといけない。
どんな環境にいるのか?資源は何か?
どんな環境なのかを理解するのはとても重要。
1人で全てをカバーしようとすることはただの独りよがり。
有名選手になればなるほど担当したことを名誉として一人で全て担当したようなことをいう人がいる。はっきりいうけどそんなわけない。
スポーツ選手に関わっている職種はたくさんある。ドクター、トレーナー、セラピスト、チームメイト、監督、友人、親、兄弟などなど。
1人のスポーツ選手がパフォーマンスを発揮するために本当にいろんな人が関わっている。それを忘れないでほしい。
独りよがりで選手を抱え込むのは誰もハッピーにならない。
担当しているスポーツ選手を取り巻く環境を良く聞いて最大限活用・協力してほしい
- スポーツトレーナーはいるのか?
- 専属のパーソナルトレーナーがいるのか?
- かかりつけ医がいるのか?
- 練習時間や休みの日程はどうなのか?
- 自分の治療以外にはどんな環境があるのか?
- 選手の24時間をどれだけ効率よく「復帰」に向けられるか?
ちょっと余談・・絶対にやってはいけない他職種批判
チームトレーナーやパーソナルトレーナー、セラピストが複数で1人の選手に関わっている時に絶対にやっていはいけないこと。
それは「他職種批判」
- あのトレーナーのトレーニングはだめだ。
- セラピストのやっている治療は意味がない。
- 俺の治療だけ受けていればいい
的なことが起こる。ただの縄張り争いであり、誰もハッピーにならない。
むしろ選手がサポート部門に不信感を抱く最悪なパターンだ。
絶対にしない、他職種批判。
あなたとほんの少し違う意見を持っているだけで、目標は同じ。
「選手を良くしたい」
だったらそのベクトルを合わせて協力することの方が100倍選手のためになる。
マイナスな争いではなく、プラスのパワーを他職種で生み出してほしい。
「スポーツ選手に怪我したことを後悔させない」↓↓↓https://t.co/EyV4jRui26
今これだけ自信を持っていえるのは理学療法の知識や技術や先人たちの知恵やJARTAのおかげです。
ほんと積み上げてきたもの全てに感謝をしてスポーツ選手に還元しよう。 pic.twitter.com/dTWm3GJaNO
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年7月13日
怪我に悩んでいた野球選手から「前を向けるようになりました」と。最高に嬉しいす。
スポーツ選手の怪我は焦りと我慢とストレス。
メンタル的にきつい。
ほんの少しの役に立つためだけでもそれに全力尽くすのはセラピストとして当たり前だ。
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年7月12日
まとめ
- 競技特性を理解する
- 競技は「どうすれば勝ちなのか?」を理解する
- 選手のチームでの立ち位置、ポジションを理解する
- どんなスポーツ選手を目指しているのかを理解する
- どんな怪我をしてきたかを理解し、選手の体の使い方を予測する
- いつまでにどうなりたいかを理解する
- 選手を取り巻く環境を最大限巻き込み、協力して復帰へ向かう
といった感じ。
スポーツ選手にはリミットがある。
だからこそセラピスト1人ではなく多くの人を巻き込み全員で選手を復帰に向かわせることが大切だ。