関節可動域制限ってとっても問題になります。
むしろ可動域の改善ができなければセラピストとしてまずいわけです。
じゃあ制限因子ってな〜に?
の前に固くなるとはどういうことなのか?拘縮のメカニズムを知ることから始めよう!
単純なストレッチだけでは効果がない場合も見分けられます。
では人間の関節・カラダが固いってどういうことなのか?深く探ってみましょう。
関節可動域制限という壁は簡単ではない
関節の可動域を改善したような気になってしまう。。
これは少なからずあるのではないでしょうか?( ´ ▽ ` )
一生懸命やったストレッチの効果が出ていると祈ってしまう・・いや、一度はあるはずです笑その気持ち良く分かりますが。
大切なことはストレッチで改善することよりも「改善しない事実」を受け入れることです。
つまり一つの仮説が外れたということは一つの答えに近づいたことになります。そんなに関節可動域制限の壁は簡単ではないのです。
では試しにSLRの可動域を改善してみましょう。単純なハムストリングスのストレッチでもSLRは改善します。
ではその後30mくらい歩いてみましょう。効果は持続しますか?では明日はどうですか?退院後はどうですか?
全てに自信を持ってYesと言える人は少ないでしょう。短期的に可動域はすぐに変わる。
しかし長期的には変わりにくい。もしくは戻ってしまう。
この事実を受け入れましょう。
そもそもストレッチだけで体が柔らかくなるのであれば小学校から実践してきたストレッチでみんな体が柔らかいはず。
しかしカラダの柔軟性はバラバラ。これが現実。
理学療法士が対応できる拘縮とは?
関節拘縮には大きく分けてみると3つある。
- 骨組織による原因
- 軟部組織(筋肉・靭帯・関節包・皮膚)
- 浮腫・腫脹
1の骨制限と2の軟部組織のケロイドによる皮膚制限以外はほとんどが理学療法の絶対的適応になる。
つまり関節拘縮改善は理学療法士の大切な役割なのだ。
拘縮の病態を臨床的に捉えると・・
臨床的に拘縮は
- 滑走性の低下→修復過程による
- 伸張性の低下→不動に伴う変化
これが複雑に絡んで拘縮として現れる。
つまりストレッチは伸張性低下には効果的だが、術後や組織損傷後の滑走性低下には効果は乏しいということ。
組織の癒着が起こすデメリット
すごく簡単に。
組織が癒着すると張力が伝わらない=力が出にくくなる。
結果的にextension lagなどを引き起こしてしまう。
関節可動域制限に対するストレッチの効果
とりあえず私が知っている範囲で
・関節可動域制限の予防には◯(1日最低30分以上×2)
・関節可動域制限の改善には△
・筋弛緩効果は◯
といった感じです。研究方法の違いがありますのでなんともです。
可動域だけで評価するのはナンセンス。受動的トルクやスティフネスなども踏まえてストレッチの評価をしなければいけない。
もちろん最新の知見によって変わりますので参考書籍はこちらがおすすめ↓
ちょっと難しいですが、論理的に理解したい人にはおすすめの書籍です。
固い原因は「何が」「どんな状態」を知ることから
最も多いのが
- 骨格筋
- 関節包
です。靭帯はあまり関与せず。皮膚はちょっとだけ関与。
でも組織的な部分だけではないことは知っての通り。
拘縮の種類
- 痛み
- 皮膚の癒着、伸張性低下
- 関節包の短縮、癒着
- 筋スパズム
- 関節包内の障害
- 腫脹、浮腫
- 骨
拘縮は様々な種類がある。しかも現場で出くわす「固い」は複雑にいくつもの要素が絡み合う
だからこそ問診や触診でいくつもシナリオを考えておくことが大切。
問診の詳しい内容はこちらから→問診の超重要な3つのポイント
拘縮発生のメカニズム
ちょっと複雑に書きましたが笑
要は痛みが出ると固くなるよってことです。
だから痛みを緩和することは二次的な「固さ」を予防する。
拘縮への対応を時期を3つに分けて考える
これも複雑ですねwでもどれくらい固定して動かなかったのかを知ることは大切です。
組織的にどんな変化が起こり始めるのか?やっぱり生理学が大切。
これだけは知っておこう↓
オペ後の拘縮は2週以降の問題。
それまでに腫脹、浮腫の管理を徹底すること。
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年8月14日
関節可動域制限のまとめ
こんな感じに「固さ」に対する思考を深めてほしいのです。
問診や経過から組織的な固さの生理学的変化を考える。次に触診。
これはある程度経験も必要だが、幅広い思考はあったほうが良い。触った瞬間の組織の固さ、反応を各層ごとに確認。
そして仮説・検証の繰り返し。自分の治療で結果が伴わなくてもOK。
それは仮説を検証している途中だから。無理にごまかす方がわからなくなってしまう・・そう・・ゴニオメーターでサバを読まないようにしましょう!