「筋肉は太い方がいい」
「筋肉は硬くなったほうがいい」
「筋肉は柔らかいほうがいい」
それってほんとでしょうか?
吉田がスポーツ選手から高齢者、小児まで見てきた中で考える「良い筋肉」の条件を考えてみました。
ここで考える良い筋肉の定義は「パフォーマンス能力が高い」という前提でお話します。
あくまで吉田の解釈。少しでも参考になれば!
サクッと動画でみたい人はこちら↓
1良い筋肉は伸び縮みの幅が大きく自分で動かせること
そもそも筋肉は伸び縮みをします。この幅が大きいほど「しなやか」です。
そう、伸ばすだけじゃなくて縮むことも大切。
よくある「体を柔らかくする=怪我が減る」はちょっと違う。
ストレッチをたくさんして伸ばせばいいわけではない。伸ばしたまま縮みにくくなったらダメ。もちろん縮みっぱなしもダメ。どちらか一方に偏っている筋肉の状態は良くない。
良い筋肉は伸び縮みをする。つまり伸ばすことも縮めることも筋肉の能力として必要なのです。
<今日のヨガ解剖学講師を通して学んだこと>
・前屈制限の原因はハムストリングスが主だと思っている人が多い
・硬いところは伸ばせば伸びると思っている人が多いだからハムストリングスの伸ばしすぎで痛める人が多い。
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月11日
2良い筋肉は力が抜けている・抜くことができる
「力を入れることは小さい頃から習ってきた。でも力を抜くことは習ったことないのでは?」
力を入れるのは簡単。でも力を抜くのは難しい。
力を適度に抜くことはパフォーマンスを高めるための必須の条件
難しくいうと筋紡錘ってセンサーが関わる。
筋肉が緊張している状態の時は筋紡錘のセンサーが鈍くなり、筋肉を動かすのが下手になる。(詳しい説明は割愛。生理学的にも説明できますよってことです)
実際にスポーツ選手はインタビューで語っています「今日は力が抜けていい感じにできました」と。
なのに、力を抜くということは学校教育では教わらない。ストレッチじゃ力が抜けない事も分かっている。
じゃあどうすればよいのか?
まずこの順序で力を自ら抜く練習をやりましょう。
- 仰向けで力を抜く(自分の体の内側に意識を向ける)
- 立ったまま最低限の力で抜く(身長は高く保つイメージ)
- 動きながら抜くところは抜く(これは難易度高いがスポーツ選手は必須)
これができると疲れにくく、無駄な動きが減って、ハイパフォーマンスになります。
言うのは簡単ですが、行うのは難しいので習得には時間をかけてみてね。
うまくできると動きながら「力を抜くところは抜く、入れるところは入れる」ができるようになります↓
自分で脊柱のモビライゼーション
四つ這いで四肢に対して体幹を合わせるように動く
脊柱がバラバラに動くようになるまでやるとかなりスッキリー pic.twitter.com/3Wa7h3QjVR
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月26日
3良い筋肉バランスは中心から手足にいくにつれて細くなる
「手足の筋肉が発達しすぎて中心部分よりも太い」はパフォーマンスの観点から良くない。いわゆるポパイみたいな体です笑
体の中心部分の運動が手足に波及して伝わるのが正しい運動パターン
だから
- 背骨
- 肩甲骨・骨盤
- 手足
の順番で運動が伝わる方が圧倒的に効率的でパフォーマンスが高くなります
だから中心の筋肉が大きく、手足にいくにつれて細くなるのが正解
1つ1つの筋肉を切り取って大きくしていくことはそもそも不自然なことなのです。特にスポーツ選手は。
人間の効率的な運動の波及は
1背骨
2肩甲骨・骨盤
3四肢の順番で起こる。手先だけでの運動のコントロールは非効率的。
スポーツ選手においては特に手先のコントロールよりも中心部分からの波及をいかに減速させないで手足に伝えるかがポイント。— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年3月9日
4では実験
実際に体験してみましょう。体を落下させる実験をします。
立った状態からしゃがみこむスピードを競います。立った状態からいかにはやくしゃがみこめるか?
これを
- 拳に力を入れた状態
- 全身の力を緩めた状態
の2条件でやってみましょ。
せーの。
どうでしょう?
100人中100人が力を抜いた方が早くなるはずです。そう、力を適度に抜いた方がしゃがむスピードは早くなるんです。
もしこの動作をする時に関節が硬くなっていたり、筋肉が大きかったり、過剰な緊張があるとどうなるでしょう?
確実に動作が遅くなります。
だから筋肉が太ければ早い!筋肉は硬い方がいい!っていうのは必ずしも正解ではないってことを知っておいてください。
良い筋肉の条件まとめ
さぁどうでしょう?
ちょっとパラダイムシフトが起きたでしょうか?
今までの教育で習ってきたことが全て正しいわけではありません。
なぜならそれは「平均値=正常」として捉えることが多いから。
みんなの平均値をとってそれが体の正常としているところに問題があります。
参考にするべきなのは怪我が少なくハイパフォーマンスを維持しているスポーツ選手。
そのトップスポーツ選手は人口の1割くらい。スポーツ選手の1割を研究して、どうやって動いてるかを考えないといけないのです。
たくさんの一流選手の動きを分析して分析・実践することが良い筋肉の条件を知る一歩です!
良い筋肉の条件
・伸び縮みができること
・伸び縮みの幅が大きいこと
・力が抜けていることこの3つが大切。
ただ柔らかくすればいい、太くすればいいでは使いにくくなる、
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2018年5月11日