ACL損傷のスポーツ復帰基準=大腿四頭筋の筋力?
ACLリハビリの圧倒的な文献としては大腿四頭筋の重要さを訴えるものを目にします。
確かに大腿四頭筋が重要なのはわかります。
しかし、術前の大腿四頭筋と同じレベルにするということは、ACL損傷をする前の状態に戻るだけなのです。
果たして本当にその筋機能状態で復帰しても大丈夫なのでしょうか?
理学療法士の吉田直紀です。
なぜACLを損傷したかを考えてみましょう。
ここで重要になるのがハムストリングスの機能です。
脛骨の前方引き出しを抑えるのはハムストリングスであり
多くの人は大腿四頭筋とハムストリングスの筋力差が大きいのです。
(9割の方が大腿四頭筋がハムストリングスよりも強い。実際にBIODEXで体感すると分かります)
JARTAでも重要性を伝えている上部ハムストリングスを評価することが重要になってきます。
大腿四頭筋とハムストリングスの筋力を測定する機械としてはBIODEXが有名です。
しかし、BIODEXにも問題がありハムストリングスの筋力測定はBIODEXの90°屈曲までの筋力状態を評価しています。
しかし実際の使用している再建靭帯ST腱の重要な働きは90°屈曲以降の筋出力発揮なのです。
かつ求心性ではなく遠心性に使われることが重要な要素にあります。
(動作のブレーキ作用としては遠心性に使用する事が多いため。)
では90°以降の屈曲筋力はどのようにして客観的に評価すれば良いのか?
その一つの指標として私が提案するのが「シングルレッグデッドリフト」です。
片脚で重りを持ち上げ,かつデッドリフトのようにシャフトを持ち上げるのです。
その時の骨盤、股関節、膝の代償と持ち上げた重量で評価します。
(もちろん重さを重くしていき負荷量をあげることも可能です。)
この評価は主にハムストリングス上部と大臀筋の働きを見るものになります。
このシングルデッドリフトはACL損傷後のスポーツ復帰の一要素として私は考えております。
ぜひ活用してみてください。