はい。2017年リアル臨床1日目に発表させてもらいました。
せっかくなので内容を全部公開します。
というか話しきれなかったこともお伝えします。
参考になれば( ´ ▽ ` )
実は表のテーマと裏のテーマがあったんです。
今日のリアル臨床2017
発表する内容のバックテーマには「未来と運動とセラピストの活躍できる分野」。
というかこちらがメインになりそう。
これからぼくらが遭遇する危機と切り抜けるための手段の一歩として「運動」を提唱したい
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年10月7日
表のテーマと裏のテーマ
表のテーマはこれです。
「体幹機能を変える3つの運動療法」です。
いかにもキャッチーw
理由があります。理由は多くの人に聞いて欲しかったから。だからキャッチーなタイトルにしました。
そして裏のテーマもあったんです。
「未来と運動療法とセラピストの重要性」っていうテーマ。
これからどんな未来になって自分たちは何をすべきなのか。それを語りたかった。
これからの未来と運動
これから未来に何が起こるのか?
「テクノロジーの進歩に合わせて人は動かなくなる」
です。
SNSがこの数年で爆発的に流行り動画配信がスムーズにできるようになった。そしてこれからは4Gから5Gのスマホ電波の時代。4Gは5Gの50〜100倍。4Kテレビがスマホでサクサク見れくらいやばい。そしてVR。近い将来現実とVRの境目がなくなると言われている。
つまり何が起こるか?
「多くのサービスがオンライン上で可能になり、人は移動する必要性が減ってくる」
だからこそ運動のニーズが高まり運動を適切に処方できる人の重要性が高まるというメッセージ。
とにかく。
これから確実に「歩かなくて良い時代」に入る
つまり「歩く」ことが珍しいレベルに変化する。
テクノロジーの変化です。
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年9月30日
動作を分析して運動を正確に指導できるセラピスト。この能力がテクノロジーと掛け算したらもっと面白いことができる。
じゃあ壮大なテーマから運動療法という部分を臨床的な目線で見るとどうだろうか?
では実際の臨床に落とし込んで見ると
自分自身が1年目の頃はなぜか運動療法の位置づけは低かった。徒手療法>運動療法という図式が頭の中にあり。
運動療法をしてみても・・「効果なし」というレベル。
でもこれは運動療法を知らなかった自分自身の問題。そもそも運動療法は再現性が高く誰がやっても同じレベルのものを提供できる最高のツールでありエビデンスレベルも高い。
運動は医療・運動は武器になる
「運動しながら評価して機能改善ができる」
これは運動療法の最大の強み。
解剖・運動学を最大限利用すると運動療法は質の高い治療になる。
- 時間を効率化できる
- 経済的効果もある(運動はタダでできる)
- セルフケアとして患者自身が管理できる
- セラピストが触らなくてもできる
- セラピストへの依存が減る
- 患者さん自身が自立する
いいことだらけだ。
機能解剖から考える動作分析
そして今回紹介したのがアナトミートレインにある表層の4つの筋膜を利用した動作分析。
すごく簡単。
- 体幹伸展:Front line
- 体幹側屈:Lateral line
- 体幹屈曲:Back line
- 体幹回旋:Spiral line
それぞれのLineにある筋肉を覚えて上記の運動を実践。
動きの悪い部位・過剰な部位を見極めて問題を把握する。ただそれだけです。あとは解剖・運動をしっかり勉強しておけばいくらでも応用ができる。
エクササイズを無限に増やす3つのポイント
- 支持基底面
- 課題数
- レバーアーム
これらをコントロールすることで運動療法の難易度を自由に変えることができる。ジュニア〜高齢者、脳卒中、プロアスリートまで全て対応できるようになる。
運動療法のためのキューイング
- 直接キュー
- 間接キュー
- 空間キュー
がありますが。端的に伝えると
- 短い言葉
- 相手が共通言語として理解できる
- 右脳に働きかけるような比喩表現
これらを意識すると相手をうまく誘導できます。
指示したい内容:肩関節90度屈曲位からの円運動
悪い例:腕をあげてぐるぐる回してください
良い例:前ならえするように腕をあげてリンゴくらいの円を描いてみましょう
などなど。
この辺りはスポーツジムのインストラクターの方が圧倒的に上手。レッスンを受けて真似してみよう。
体幹のニュートラルポジション
ピラティスで言う所のニュートラルポジションです。
体幹部分のコントロールはとても大切。
発生学的に人は頭蓋骨・脊柱・肋骨が最初に完成。次に肩甲骨や骨盤ができて手足ができた。だからこそ最初にできた脊柱や肋骨の運動コントロールはとても大切。正しい運動パターンは脊柱や肋骨の運動が手足に波及して完成するから。
これを解剖学的に考えると
このあたりの機能を促したいわけです。
とても解剖学的に考えられたニュートラルです。
呼吸から動きを導く
呼吸は運動療法をする際にはとってもたいせつ。
基本的には
- 脊柱の伸展時に吸気を利用
- 脊柱の屈曲時に呼気を利用
するのがベース。もちろんいろんな考えがあるので、正解も間違いもないです。
さらに応用するためには
- 胸椎伸展時に胸の前側に空気を入れる
- 脊柱屈曲時に固い脊柱の部分に空気を入れる
- 脊柱側屈時に固い肋骨部分に空気を入れる
つまり呼吸で固い部分を意識をさせる意味と呼吸による胸郭の拡張を促す意味がある。
体幹を変える3つの運動療法
体幹を変えるための3つの運動療法。リアル臨床で全然説明できなかった部分w
時間がなかったので実技は体幹の屈曲だけやりましたw
「なんで体幹の伸展がないの?」って思った人もいると思います。理由は↓
体幹の伸展のコントロールって難しくてほとんどが代償運動で終わってしまう。
だから体幹の軸伸長を作り出すことが大事。
ニュートラルポジションを作って体幹の屈曲・側屈・回旋の3つを行うことがファーストステップ。これら3つの運動がコントロールできた後に「体幹の伸展」を行うようにする
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年10月9日
というわけでこれはリアル臨床で伝えきれなかった部分を動画でお伝えしますね↓
運動のメソッドはなんでもよし。
ポイントはなぜその運動療法を選択したのか?という理由。どの部分にどんな効果をもたらしいたのか?
これができていれば制限しなくていい代償運動と制限したい代償運動がわかるようになる。
1対1億人ができる「運動」の強み
運動療法は多くの人に届けることができる。
- 1対1じゃなくても集団で10人に教えることができる
- 大きな会場であれば100人にも伝えることができる
- ネットを利用すれば日本中1億人に届けることもできる
- 日本以外にも届けることができる
たくさんの人に運動を届けることができる。
目の前の人だけでなく、日本や世界にも向けて発信できる。
これからはマンツーマンの施術ではなく1対10や1対100規模の運動システムやツールが必須になる
— 吉田直紀〜理学療法士〜 (@kibou7777) 2017年10月7日
まとめ
運動療法の位置付けが代わり、たくさんのセラピストが運動療法を学び患者さんに還元してくれれば最高です。
表のテーマよりも裏のテーマである「未来と運動療法とセラピストの重要性」が一人でも多くの人に伝えられたら本望です。
リアル臨床はとても良い場です。
人と繋がり、若い人のパワーをもらい、そしてアイデアと熱が生まれる場所です。
ありがたいことに1日目の3位になりました。
聞いてくれた人、投票してくれた人ありがとう。自分自身もたくさんの熱をいただきました。
運営していただいたスタッフのみなさま、講義を聞いてくれたみなさま本当にありがとうございました。